4月23日は「マヌルネコの日」毛はもふもふ、動きはカクカク…世界最古のネコの謎

中央アジアの山岳部や草原などに生息し、岩場や草むらなどに隠れているマヌルネコ 撮影:南幅俊輔(『マヌルネコ 15の秘密』より)

 マヌルネコとはどんな動物ですか?

南幅「マヌルネコのマヌルは、モンゴル語で “小さなヤマネコ” という意味。世界最古のネコ科動物のひとつで、約600万年前から現在とほぼ変わらない姿だと言われています。中央アジアの標高500~5000mまでの山岳部や草原などに生息していて、体長50~65cm、体重3~5kgとイエネコと同じくらいの大きさ。小さく丸い耳がやや後方の位置についていて、足が短く頭からしっぽの付け根までほぼ一直線の体型です。周囲の環境になじむ灰色の毛皮を持ち、獲物や天敵に見つかりにくくなっています。

 額には黒い斑点模様、頬には2本の線が入っていてイエネコの瞳孔は明るいと縦長になりますが、マヌルネコは丸いままで小さくなるのも特徴です。繁殖期以外は単独行動で、普段はアカギツネやイヌワシなどの天敵に襲われないよう、岩場や草むらなどに隠れて目立たないようにしています。肉食でナキウサギなどの小型ほ乳類を捕食し、基本的に鳴くことは少ないのですが、繁殖期にはウォーウォーと低い声を出します。平均寿命は約10年くらいです」