ペットのがん「早期発見」につながる毎日のチェック方法は?

 近年、ペットの犬・猫の死因上位を占めているのが“がん”。10歳の犬の死亡原因を調べた調査によると、1位は腫瘍22.6%を占め、2位は循環器疾患の19.5%、3位は消化器疾患の16.8%となっている(アニコム家庭どうぶつ白書2021犬の死因10歳 より)。また猫も同様に2番目に多い死亡原因となっている。(アニコム家庭どうぶつ白書2023 猫の死因10歳より)そんなペットのがんとどう向き合うか、自由ヶ丘どうぶつ病院の安念 了(あんねん さとる)院長に話を聞いた。

話:安念 了(あんねん さとる)…獣医師。自由ヶ丘どうぶつ病院院長

ペットの「がん」が増えたのは…高齢化

「昔は心臓や腎臓の病気が原因で亡くなることが多かったのですが、今は、犬・猫ともに、がんが死因の上位となっています。平均寿命が10歳以下だった時代は寿命までに違う要因で亡くなることが多かったのですが、今は長生きするようになり高齢化が進んだことで、がんが増えているんです。8歳くらいから高齢とされるので、それ以降はとくに注意したほうがいいと思います」

 どんな点に注意すれば?

 

①  日々のスキンシップでしこりや腫れをチェック

「乳腺腫瘍など、体表にあるがんの場合は触れて分かることも多いので、日常的に触ってしこりがないかチェックします。

しかしリンパ腫などは触れても分かりづらいんですね。犬だとリンパ節が腫れて分かることがあるのですが、猫は消化器型と言って、お腹のなかのリンパ節が腫れたりするので触っても分かりません」

②  体重管理

「1年かけて数百グラム落ちるくらいなら異常とは言えないのですが、通常に生活しているのに1カ月で2~300グラム落ちたら、要注意です。人で換算するとダイエットもしていないのに1カ月で6キロくらい落ちることになるので、何かしら疑われます。それくらい落ちると、触ってもすぐ肉が落ちているのが分かると思います」

 

③ 食欲や便の状態の確認

「いつもならすぐに寄ってきて食べるのに、寄って来るけど食べないとか、食べきるけどすごいゆっくりとか、いつもの半分しか食べない、など食欲の異変がきっかけでがんが分かることも多いです。あとは毎日の便の状態ですね。ただ、動物は自分で“調子が悪い”と話してはくれませんから、飼い主がそういった異変に気づいたときには進行しているパターンはとても多いです」

 

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