これが令和の教育現場。ICT化で生徒の健康管理、いじめの早期発見。そして教員の働き方改革も

設定したアラートワードを回答した生徒を自動検知することで教師は迅速な対応が可能に

子どもたちに手をさしのべる、教育現場を救うICT化

 具体的にどういった内容のことをどうやって行っているんでしょうか?

「まず、児童・生徒には毎日自分の健康状態や体調を簡単な質問に答える形でコンレポの画面に入力してもらいます。このチェックには“熱が37.5度以上”といった身体面ばかりではなく“今日の目覚めはどうですか?”といったメンタル面の質問もあって、それに答えてもらうことで、その子供の体調を把握し、それを毎日答えることで、変化も分かることになります。大学教授のアドバイスによるロジックを組んでいるんですが、この変化が大きい場合にケアをしなければならないのではないかということでアラートとして学校の先生に知らせることになっています。また“いじめ”“暴力”といったアラートワードも設定でき 、生徒がそういったワードを書き込んだ際もアラートが出るようになっています。それ以外にも児童・生徒の画面には、悩みを相談できる基本機能を有しています。コンレポfor Education(標準版)では、特定の先生に相談したい場合や、いじめ相談ダイヤルなどの外部機関に相談できるボタンがあります」

 そういう子どもたちがSOSのようなものを発信する時も匿名ではなく実名なんでしょうか? こういった悩みを抱えているということを人に知られることに抵抗を感じる生徒もいそうですよね。でも匿名だと対策が遅れてしまいます。

「コンレポ for educationは実名です。でも相談する先生は選べることになっています。担任じゃない先生にもアラートが出せます。担任の先生とうまくいっていなかったら別の先生に、例えば前年の担任の先生とかですね」

 このコンレポ for educationを教育現場に導入するにあたり、直面した問題などはありましたか?

「導入を検討してくださっている教育委員会の方々にお聞きしている限り、まれに先生方がこういったITサービスに拒否反応を示す場合があります。例えば学校現場はいまだに紙を使う文化が多く、そこからはなかなか脱却しづらいようです。また、セキュリティー面も心配されているようです。そのようなご意見が出てきた際も、コンレポ for educationは使い方が簡単であることや、セキュリティー面も安心していただけるという点をしっかりと説明しています」

 先生たちも高齢化が進み、ICT化についていけないというのも致し方ない部分もあるかと思います。

「何事も新しいことを入れると、その分、手間が増えて、皆さん嫌がりますが、それ以上にメリットがあることもご理解いただければと思います。今回、先陣を切って東京都教育庁さまに導入していただけたのは大きいことだと思っております。」