これが令和の教育現場。ICT化で生徒の健康管理、いじめの早期発見。そして教員の働き方改革も

「コンレポ for education」について語る増木氏

AIはあくまで補完する機能。最後はやはり人間

 導入した教育現場からはどのような反応がありますか?

「やはり“使い方が簡単”という声が多いです。慣れてくれば普通に使えるようになっているようです。また質問事項もそれぞれの学校でいろいろ変えることができるので、いろいろなことができるねという評価をいただいていますね。ユーザー様の負担を増やさないよう、コンレポ for educationは極力直感的に、誰にでも簡単に使えるように工夫された画面構成にしています。また、毎日の健康チェックの質問内容を変えることができるという柔軟性もご好評いただいています。いじめ・自殺数が減ったかどうかの効果測定はこれからですが、まずは弊社が力を入れて開発した部分が好評なので、幸先のいいスタートだと思っています」

 導入により解決できる可能性がある教育現場の問題にはどんなものがあるでしょうか?

「まずは生徒からのSOSを見つける“きっかけ”に気付くことができます。学校側が“きっかけ”に気付けば、見守ることや声をかけることなどの対処が早期に可能となります。まずは生徒も先生も気軽に使える『問題の早期発見ツール』として、いつもと様子が違う生徒の状態を見つけることができるようお使いいただきたいと考えています」

 導入することによって先生たちも時間と心に余裕ができるということですね。

「これを導入したから絶対に大丈夫ということはないと思っています。ICTもAIも人間を支援する機能であるので、これを入れたから先生は何もしなくてもいいというわけではありません。ただ、先生の手間をちょっと楽にして、日常の生徒たちの状況をもう少し可視化して見せてあげる。それによって先生がうまく時間を使えるようになるんじゃないかと思っています」

 最終的には先生が生徒と面と向かって接して、問題を解決しないといけないんだろうなと思うんですが。

「最後までAIが全部やってくれますという世界ではないですよね。それはあくまで補完する機能。最後はやはり人間が出ていかないといけないと思いますよ」

 ミライト・ワン グループとして、どのような思いが込められたサービスなのか? このシステムの将来的な展望などお聞かせください。

「コンレポは、冒頭に申し上げました通り、当初はコロナ禍で上司の人たちが部下の健康状態や出社の有無を把握するサービスでした。現在も社内で利用しているのですが、体調不良の社員がいればすぐに上司に連絡が飛びますので、今では部下をフォローするための大切なツールになっています。我々も心身の健康の大切さを日々実感する毎日です。このコンレポを、企業だけでなくぜひ全国の教育現場でお使いいただくことにより、悩みがある生徒の皆さんも、そして日々業務に追われながら頑張っている先生方も救える一助にしていただきたいと思います。より早く不調の“きっかけ”に気付き、より早くフォローする。それによって一人でも多くの児童・生徒が笑顔あふれる毎日を送れることを願っています」

株式会社ミライト・ワン・システムズ
株式会社ミライト・ワンのグループ会社である株式会社ミライト・ワン・システムズは、企業向け基幹システムの提案から開発、運用まで一貫して手がけ、お客様のビジネスの安定稼動・発展を支援。ITインフラ基盤のシステムの設計、導入、運用保守業務アプリケーションを実装するためのサーバーやネットワークの設計から運用保守までを行う。

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