サッカーU23日本代表 ドーハ×五輪予選 【アフロスポーツ プロの瞬撮】

 スポーツ専門フォトグラファーチーム『アフロスポーツ』のプロカメラマンが撮影した一瞬の世界を、本人が解説、紹介するコラム「アフロスポーツの『フォトインパクト』」。他では見られないスポーツの一面をお届けします。

細谷真大の先制ゴールのシーン
荒木遼太郎の追加点のシーン
サポーターがゴール裏からエールを送る
試合後、サポーターに向けて雄たけびを上げる藤田譲瑠チマ(撮影/文章:長田洋平 2024年4月29日 2024 AFC U-23アジアカップ 準決勝 日本vsイラク)
今回ほど自分の写真の出来云々よりも、日本の勝利という結果に嬉しさと安堵を感じたことはないかもしれない。日の丸を背負ってプレーし、五輪を勝ち取った選手からすると失礼な話だと思うが、サッカーファンとしても報道カメラマンとしても正直な感想はそこに集約されるだろう。
 
現地の様子を書きたいと思う。
まず前段として、僕は8年前もこの決戦の地・ドーハに来ている。リオ五輪の最終予選だ。
ドーハの街はあの頃から大きく変わったが、直面した境遇は似ている。決して高くない前評判や中東アウェーの独特な雰囲気、そして負ければ終わりのハイプレッシャーな試合。だからこそなのかもしれないが、現地の人や日本から飛んできたサポーターで編成される応援団の存在も大きく感じた。
中東のチームに比べて、人数は多くなくとも、ゴール裏に陣取ってエールを送るサポーターの姿や声は届いているな、と僕から見ても実感できた。そんなジャパンファミリーの一体感が醸成されていることも、多難に直面しながらも勝ってきた選手達の努力と精神力の賜物なんだろう。
ただ、今回の結果に決して満足していない顔の選手もいる。そういう選手の存在もまた頼もしく感じる。
 
最後に冒頭に書いた「自分の写真の出来云々」に関して少し。
僕がカタール入りしたのは準々決勝カタール戦からなのだが、それから日本は計6ゴールを挙げている。
しかし、まだ僕の方に向かってゴール後の喜びが来たことは無い。準々決勝から準決勝までの中3日、どこに陣取るか考え悩み抜いたが、準決勝もある意味裏目に出てしまった。ゴールシーンは撮れているので贅沢は言えないが、やはり選手の喜んでいる姿が撮りたい。
次の決勝が最後の1戦、自分にとっても日本にとっても最高の結末になる事を願っている。
 
■カメラマンプロフィール
撮影:長田洋平
1986年、東京出身。かに座。
早稲田大学教育学部卒業後、アフロ入社。
2012年ロンドンパラリンピック以降、国内外のスポーツ報道の現場を駆け回っている。
最近では平昌オリンピック、ロシアW杯を取材。
今年の目標は英語習得とボルダリング5級。
 
★インスタグラム★
アフロスポーツ

1997年、現代表フォトグラファーである青木紘二のもと「クリエイティブなフォトグラファーチーム」をコンセプトに結成。1998年長野オリンピックでは大会組織委員会のオフィシャルフォトチーム、以降もJOC公式記録の撮影を担当。
各ジャンルに特化した個性的なスポーツフォトグラファーが在籍し、国内外、数々の競技を撮影。放送局や出版社・WEBなど多くの報道媒体にクオリティの高い写真を提供し、スポーツ報道、写真文化の発展に貢献している。

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