河名真寿斗「UFCは“世界で一番強い”と誰もが認識するような舞台。そこに高い山があるなら登ってみたい」【ROAD TO UFC】
「ROAD TO UFC シーズン3」(5月18日、中国・上海パフォーマンス・インスティチュート)に出場するGLADIATORフェザー級王者の河名真寿斗(マスト)(ロータス世田谷)の試合を前にしたコメントが大会を配信するU-NEXTを通じて届いた。「ROAD TO UFC」(RTU)はアジア全域から集結したトップアスリートがUFCとの契約をかけて競い合うトーナメント戦。今回は男子フェザー級、男子バンタム級、男子フライ級、女子ストロー級の4つの階級で行われる。
河名は男子フェザー級1回戦でソン・ヨンジェ(韓国)と対戦する。
RTU参戦が決まった瞬間の感想を教えてください。
「“マジか!!”みたいな感じで(笑)、安心より驚きが大きかったです。というのは、参戦が決まってからビザを申請する時間のことも考慮すると、このタイミングで連絡が来なかったらもう厳しいのでは?と言われていた目安の時期を過ぎた頃にマネジャーから“もう少し待っていて”と言われて、その時にはもう期待はしていなかったので(笑)、拾われたというような感覚でしょうか」
エントリーするにあたって、たとえば年齢やキャリアも含めて、どういう選手であれば通るという選考基準が細かく提示されているわけではありません、その点は出場したい選手としてはやはり気がかりですか。
「そうですね。そういう意味では、1年前のRTUの時には自分は入れなかったけれども実際に選ばれた選手たちはがみんなベルトを持っていました。だから“まずはGLADIATORのベルトを目指そう”と考えて、そこはつまずきながらもなんとかクリアできたので、自分としては人事を尽くして天命を待つという気持ちでした」
1回戦の対戦相手は韓国のソン・ヨンジェ選手となりました。相手の印象はいかがですか?
「きれいなボクシングができて、あとは“殺しを持っている”という感じです」
戦績が6勝無敗1ドローで、プロの試合すべてでフィニッシュ勝利を挙げています。早いラウンドでのKOが多いという点はいかがですか?
「僕のほうはどんどんどんどん引きずりこんで、苦しい試合をできればなと思っていますから、逆に向こうがスカ勝ちできなくて苦しい試合になっていったときの準備をどこまでしているのかというところですよね。そう(苦しい試合に)なれば僕が勝つし、そうならなければ1Rで僕がぶっ倒れているっていう感じですよね(笑)」
その点で言うと、ドロドロの試合になってからどういう選手なのかはかなり未知数だと思います。相手の組みに関してはどのような印象ですか?
「見ている感じだと、弾き飛ばすバネのような意味での体の力が強いと思うので、力ずくで組み技を切ってくるような想定はしています。自分は最終的にはやるべきことは変わらないのでそこに向かってとにかく走り続けます」
先ほど相手選手の印象として殺しを持っているということでした。ワンツーのツーのタイミングが速く、右ストレートから左ボディーの対角攻撃でのKOもあり、危険なパンチを持っていると思いますが、どこが鍵になると思っていますか?
「立ち合いでのプレッシャーの掛け合いの勝負だと思っていて、相手にとっても僕のテイクダウンは怖い部分だと思うので、もしかしたらあのワンツーは出せないかもしれないし、僕が立ち合いでビビって引いてしまったらもう相手の射程に入ってしまうので、1Rの1番最初の入りが大事だと思っています。最初の1分、2分が重要ですね。1Rで自分がどう形を作れるのか。型にはめられれば最高ですが、うまくいかずに相手の体の力で切られて、立たれてもまた自分がプレッシャーをかけ続けられるか。そこはもう、ある意味自分との戦い的な部分があると思います。あとはもう僕が自分の形が作れそうな時に、たとえばスタンドでバックが取れそうなときに思い切りアームロックを仕掛けてくるといったような、そういう飛び道具の一発を狙ってくる可能性があれば脅威ですが、そういう選手ではないように思います」
相手選手役を誰かにやってもらうなど対策をしっかりするような練習だったのでしょうか? この試合に向けてどのような取り組みをしてきたかを教えていただくことはできますか?
「毎回そんなに相手はこうという意識はせずにやっています。テイクダウンして徹底的に押さえながらずっとコントロールし続けて、相手がバテるまで引きずりこむというベースが自分にはまずありますから、どちらかというとそういう自分のやるべきことを徹底していくための練習をしてきました。最初は押さえるだけになっていたというか、押さえることが目的になっていたのを、押さえながら相手が動いてきたら叩こうとか、萎えたら一本取ろうとか。パンチを振るにしても一本取りに行くにしても、力がいることですし、そこには勇気も必要になるので、そういう怖さと戦いながら、ベースを積み上げてきた感じです」