TOKYO MXがよりマニア路線をばく進中。新キャッチコピー「どこまでも!マニアッ9。」に込められた思いとは

新キャッチコピー作成のプロセスを明かした樋田氏

 社員全員と面談というのは他の放送局ではできない。このやり方ができること自体がTOKYO MXならではですね。
「ありがたい解釈です(笑)。少人数だからできることですし、少しでも同じ方向を向いてほしい、向かせなければいけないということのためには必要なプロセスだったと思っています」

 130人だって結構な人数です。上層部だけで決めてもよさそうなのに、そういうプロセスを踏むということ自体も大きな目的の一つだったんですね?
「そうですね。1人あたり30分くらい面談をしました。結構熱く語る人もいて、結果100時間くらい面談したと思います」

 それ自体が相当な財産では?
「データとしてちゃんと残していて、たまに見返したりもします。最終的には民主主義でまとめていかざるをえなかったんですが、それだけじゃない意見もいろいろあがったので、そこは財産だと思います」

 それはそれで今後の番組作りに生かしていく?
「そうですね。セイタロウデザインさんがおっしゃっていて、僕も共感するところなんですが“言葉を作ったとて”なんです。ここからは外に向けていくフェーズになっていくと思うんですが、外に出るものにちゃんと昇華しないと意味がない。あとは中の人がちゃんと腹落ちして、何かに反映できないと意味がないと思っているので、ちゃんと番組づくりなどに落としていければいいなと思っています」

 先ほど「他とは違うといったところなどを大事にしたい」という言葉がありました。外から見るともともとそういった精神は大事にされている会社のように見えますが?
「自分たちでそれを無自覚にやっている部分もあれば、自覚的にやっている部分もあると思うんですが、そこは人によって違うというか。純粋に自分が作りたいものを作った結果、そうなっている部分もあるかもしれないし、ちゃんと俯瞰で見たうえで意識的に他とは違うものをやろうと思ってやっている人もいると思います」