PSYCHIC FEVERが新しい実験? JIMMYとWEESAで“パーフェクト”なラブソング

ーーこの曲は、手放してしまった女性のことを、いい女だったな、パーフェクトだったなって思うラブソング。この楽曲にこうした物語を乗せようと思ったきっかけは?

JIMMY:R&Bのビートですし……

WEESA:ラブソングになりがちですよね。僕たち自身もラブソングを作ることが多いから作りやすいし……なりゆき? なんか、僕らの周りって悲しい……失敗談が多くて(笑)、かなわないラブソングが多いんです。

JIMMY:あの時のことがこんなに大切だったとか、あの頃の自分たちはパーフェクトだったとか……自分たちの若さというか経験が少ないところで、リアルに語れるストーリーがこれだったってことなんじゃないかな。ライティングセッションの時は、あえて何も考えずに行って、先に作ってもらっていたビートとトップラインを聴いて、スタジオの中で一気に書き上げたんですけど、気づいたらこういう曲になってました。

ーー始まりのフレーズやセンテンスが何だったか覚えていますか?

JIMMY:それは、Nvmbrrさんの<Baby do you remember me?>。僕を覚えてる?だったら、“あの頃のこと”。僕ら音楽が好きだし、この曲を聴くとあの子を思い出しちゃうよなとか、そうやって少しずつ肉付けされていった感じです。

WEESA:日本語のキャッチ―なフレーズはELIONEさん、Nvmbrrさんは英語の気持ちがいいのを出してくれるんですよね。

ーーお2人のなかにJIMMYさんとWEESAさんはどういった感じで参加して行くんですか?

WEESA:フレーズフレーズで1行ずつ書いたり、僕のバースでJIMMYくんが書いてくれたり、その逆もあったりで。みんなが誰がどこをっていうのを関係なしにフレーズを重ねていきました。

JIMMY:WEESAのとこで僕が書いたものに<Yeah you got my master key Come to”113”>ってあるんです。“key”の部分だけが作ってあって、マスターキーってよくないか?みたいな。Come to”113”ってホテルの部屋番号みたいな感じで、113(イイサ)にかかってて。君は俺のマスターキーを持ってるんからいつでも帰ってきなよ、ずっと待ってるからみたいな。ここでWEESAが113って言ったら絶対カッコいいって思って。

WEESA:ここは最後まで出てこなくて……JIMMYくんが113でしょって。

ーーWEESAさんのマスターキー……。出てきそうで出てこなそうな感じも。もしかしてWEESAさんはグループ内で113(ワンワンスリー)って呼ばれてたり……?

JIMMY:(笑)。それはないですけど、113はWEESAが使いがちな数字です。それがこびりついてて。

WEESA:メンバーも知ってるぐらい使いがちです(笑)。

ーーレコーディングについても聞かせてください。

WEESA:ライティングは楽しかったんですけどレコーディングは手こずりました。強弱のつけ方であったりキャッチーな部分をどう歌うかっていうのは、いつもレコーディングの難しい部分でもあるんですけど、この曲ではずっと同じキーで歌っているしバースは長いし強弱がつけにくかったです。それで何回も何回もやり直して。

JIMMY:めちゃめちゃ時間かかったよね。自分的にバースの役割はフックで、大体の世界観を語って、その後にしっかり説明しなきゃいけないパートだと思ってるんです。ラッパーなので、内容も聞き取れてフロウもあって、どんどん解像度が高まっていくようにしたかった。

ーーいつもは7人ですが今回はボーカル1人ラッパー1人の2人。レコーディング時の楽曲への臨み方にはどんな違いがありますか?

JIMMY:この曲はフィーチャリングっていうよりも 2人で 1 曲を作らなきゃいけない感じだったんで、自我というか個を出しすぎるとお互いを殺し合っちゃうなと。サイキックだったら7つの個性があるんで、自分が100%、超フルで行っても、みんながうまいこと調整してくれるし、自分が楽曲の中で担当するパートで使い分けたりもできるんですけど、この曲は2人で同じ内容を言ってたりもするし、すっごく優しくバトンタッチしてあげないと曲の世界観も壊れちゃうんですよ。

WEESA:楽しかったけど難しかったですよね。

JIMMY:急にWEESAがハモ入ってきたりもするし。

ーー見知った顔ぶれでのレコーディングだったと思いますが、2人でデモを作る時のように楽しめましたか?

WEESA:やりやすさはあったかな、周りに人がいるから自分たち以外の意見も聞けますし……自分で作る時は家の方がやりやすいんですけど、僕はなんか、そう思いました。

JIMMY:WEESAはあまり場所は関係ないよね。でも、僕は逆で、楽なのは、ひとりの方。何回も撮り直したくなっちゃうし、結構一人の方がチャレンジできるっていうか、極論言って、奇声をあげてもいいじゃないですか。なんかそういう環境に慣れちゃってるんで、緊張しました。