都知事選と密接に関わる都議会議員の補選が28日に告示。子育て、女性活躍、介護について都民ファ特別顧問・荒木ちはる氏に聞く

 東京都知事選挙(7月7日投開票)の選挙戦の後半となる6月28日からは東京都議会議員の補欠選挙の選挙戦もスタートする。今回は江東、品川、中野、北、板橋、足立の6区と八王子、府中の2市の8選挙区の予定だったのだが、急きょ南多摩でも行われることとなり、計9選挙区で補選が行われることとなった。いずれも欠員は1。この南多摩については元稲城市長で平成25年から東京都議会議員を務めていた石川良一氏が6月16日に亡くなったためのもの。

 現在、都議会の議席は自民が27で、都民ファーストの会が25、公明党が23となっており、今回の9議席がどうなるかは都政に大きな影響をもたらす。先に公示された東京都知事選に耳目が集まるのは致し方ないが、実はこちらの補選もかなり重要だ。

 国政と地方選挙はしばしばねじれることはよくある。国会では対立する自民党と立憲民主党が同じ候補者に推薦を与えることは日常茶飯事で、有権者としては「分かりにくい!」と言いたくなるケースもあるのだが、それはその地域特有の事情があってのことで、ある意味仕方がない部分もある。

 都知事選では自民党は小池百合子候補を自主的に支援しているのだが、今回、補選が行われる選挙区では小池氏が特別顧問を務める都民ファーストの会の候補と自民党の候補がしのぎを削る選挙区もある。それは中野区。都民ファの特別顧問を務める荒木ちはる氏に今回の選挙と都政について聞いた。

都民ファーストの会特別顧問の荒木ちはる氏(撮影・蔦野裕)

 まず都民ファは今回の補選はどちらに候補者を?
「中野、板橋、北の3区と南多摩の4選挙区に候補者を立てます。南多摩の石川さんは都民ファの現職でしたので、こちらは議席を守る選挙になります」

 国政と地方選挙はしばしばねじれることがあり、有権者は国政と地方選挙では投票行動は異なると思います。それを踏まえたうえで今回、中野区で立候補する荒木さんから見て、中野区特有の問題というのはどういったものがあるのでしょうか?
「『子育て先進区』ということを酒井直人区長が掲げています。私は昨年5月に41歳で、不妊治療を経て子どもを産みまして、1歳児のママ当事者として、この子育て先進区ということを実感していただけるような政策を都議会議員の立場から支持していきたいと思っています」

 今回の自身の一番のテーマは?
「子育てと介護です。今回、小池知事も子育てと介護を掲げられているんですが、そこは私も同じです。介護と子育てって一緒だと思うんです。車いすとベビーカー。どちらも一人では移動できない。公共サービスだと思っています」

 1歳の子の子育てをしながらの活動になりますが、自身の体験が政策を作るうえで参考になる部分も?
「女性活躍も出産、妊娠、子育ても応援したいと思っています。私自身が不妊治療だったんですが、自分のキャリアを追い求めて、気づいた時には…という感じでした。小池さんもよく言っていらっしゃるんですが“がむしゃらに働いてきて、気づいたら40歳を過ぎていた”と。私も同じなんです。28歳から小池さんの秘書をして、35歳から40歳まで都民ファーストの会の都議会議員で党の代表とがむしゃらに働いてきた。その期間はどうしても自分のキャリアを積んでいきたいという思いが強かったので、それ一本で来ました。でも子どもは欲しいと思っていたので、不妊治療を受けて出産しました。今、東京都はかなり卵子凍結とか不妊治療の助成をしてくれています。女性の活躍も応援するし、産みたいという気持ちも応援している。私自身41歳で出産して、卵子凍結といったことの大切さもこれから伝えていきたいなと思っています。いつ妊娠したいか、したくないか。その時のためにいろいろな準備ができるんだよということを情報提供していきたいですね。卵子凍結については絶対に若い時のほうがいいということはデータで出ています。20代で卵子を保管しておいて、その卵子で受精させると妊娠率が格段に上がる。 “海外赴任中で”とか“今は仕事に命を懸けていきたい”という人たちにとっては卵子凍結というのは保険なんです。なのでそういう人たちも応援していきたいと思っています」

 女性活躍と出産を両立させるということですね?
「産む産まないは自由です。ただ“望んだ時に産めるような環境を整えたい”ということを知事も言っています。だから卵子凍結は女性のキャリアを応援していることにもなると思います」

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