都知事選と密接に関わる都議会議員の補選が28日に告示。子育て、女性活躍、介護について都民ファ特別顧問・荒木ちはる氏に聞く

(撮影・蔦野裕)

 最近発表されましたが、東京都の出生率が初めて1.00を割り0.99になりました。
「実は中野区は東京の平均を大きく下回る0.91。東京の自治体の中で下から4番目という最悪の数字です」

 0.91というのは今回、補選が行われる9選挙区の中では最低の数字になります。なおさら中野区にとっては大きな問題ですね?
「そうなんですが、この数字は15歳から49歳までの人たちが分母になっているので、東京は女子学生とか若い世代がすごく多いというのが数字が低くなる一つの理由となっています。これは小池知事が言っていたことなんですが“若い世代が東京に希望を持って集まって、分母を大きくしているということなので、若い人たちを集められているということはもっと自信を持っていい”と。その後、石丸さんも同じようなことをおっしゃっていました。石丸さんは元安芸高田市長だから言えたと思うんですが“自分たちの自治体は若い人たちを流出させている。結局、子どもたちを育てている人たちしかいないという自治体”とまで言っていました。なので私もこの数字を出す時は気をつけないと、とは思っています。とはいえ、1を上回るほうがいいのはもちろんです」

 数字についてはいろいろな見方があると思いますが、やはり若い世代の人たちに「子供を産みたい」というマインドになってもらうことが大事ですね。
「若い人たちに、子育ては苦労ではなく楽しいものだと思っていただけるように、私は政策にお金のかからない出産と子育てというものを入れています。今まで東京都では『赤ちゃんファースト事業』『018サポート』ということをやってきました。赤ちゃんファースト事業は生まれた時点で10万円のクーポンが届きます。10万円にしたのは、普通の一般家庭では買えないものを買えるようにしたかったということなんです。私は電気ロボットお掃除機を買いました。これを使うことで夫と話したり、子供のための時間を増やすことができる。“家事・育児のDX”と言っているんですが、そうやって家族との時間や子供に向き合う時間を増やすためには技術に頼っていくべくだと思っています。現代の3種の神器は食器洗い機、ロボット型掃除機、衣類乾燥機の3つらしいですね。これで時短してもらって子供に向き合う時間を増やしてほしい。いわゆるタイパ重視。『018サポート』は月5000円、年間6万円を0歳から18歳までの19年間助成するものです」

 こういった補助金的なものは調べれば国でも結構あるんですが、国からは特にアナウンスしないので気づいていない人が多いようです。都の場合は届けてくれるんですね?
「赤ちゃんファースト事業は出生届を出せば勝手に送られてきます。ただ勝手にクーポンを送るだけでは東京都のためにはならないので、その代わりに家に行って、面接をさせてもらっています。家に行って面接したら10万円のクーポンが使えるならみんな受けますよね。その面接というのは子供を虐待していないかとか、お母さんが育児ノイローゼとか鬱になっていないかというのを見るためのもの。何か危なそうだったら保健士が来て、自治体に連絡し“この子は要支援”といったようになる。ただお金を配ればバラマキになりますが、こういう仕組みを作ったことで反対がない」