老女映画ブーム到来!? 草笛光子九十歳記念作品『九十歳。何がめでたい』が、とても楽しかった!【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】
こんにちは、黒田勇樹です。
いつ梅雨入りしてましたっけ? とか話してたら大雨になったり、それで湿度がすごくて気温以上に暑く感じたりで体調を崩す人がたくさんいるみたいです。皆さんも気をつけてください。
ちょっと先の話なんですが、湯島にあるコンセプトアニソンバー555で9月1日に来店イベントをさせていただくことになりました。ご興味のある方はぜひ。
では今週も始めましょう。
そういえば、先週書いた森崎ウィンさん監督作品『せん』も女性の老後を描いた作品でしたね。
今回鑑賞した作品『九十歳。何がめでたい』は、実在する作家佐藤愛子さんのエッセイをもとに、本当に御年90歳の名優草笛光子さん主演、豪華出演陣とゲストで送る日常コメディ系映画。
草笛さんが演じるのは、直木賞受賞作家で2年前に筆を断ち、新聞読んだりワイドショーを眺めたり、鬱々とした生活を送っています。
そこに唐沢寿明さん演じる、時代に取り残された「ザ・昭和」という編集マンが現れて…と、いうところから始まります。
色々な人間関係が丁寧にもコミカルに描かれていて、あっという間に観れる100分間。
「傑作には、これをどこまで入れられるかがキモだ」と、まことしやかに囁かれているユーモアとペーソス、日本語でいうと“おかしみ”と“かなしみ”が、ふんだんに描かれていました。
コメディシーンで言えば、本がバク売れするシーンで、町のいろいろな風景で、誰も彼もが本を持っているという「デフォルメし過ぎだろ!」と、会場も笑いに包まれていたシーンでも、その中に、病院や介護施設などの景色も何気なく出てきていて、実にユーモアとペーソスが共存した、素敵なシーンが特に好きだったな。
平日の朝に行ったせいもあると思うのですが、映画館の客席は高齢女性で埋め尽くされ、始まる前からワイワイガヤガヤと楽しそう。
ロビーの端には、健康体操している方もいらっしゃいました。角曲がったら、腕ブンブンしてらっしゃって、めっちゃびっくりした。とにかく皆さんとてもお元気。
筆者42才で、見渡す限り観客の中では下から2番目ぐらいの若輩だったんですが、なんだか負けた気がしました。
作品が始まってからも笑い声が絶えず、なんだかこちらも元気になれる時間を過ごさせていただきました。
アベンジャーズとか絶対に観に行かない層をとりこめるから、老女映画は新しいマーケットになり得るのではないでしょうか。
自分のことや、家族のこと。
100歳から今の年齢を引いてみて「残り◯◯年」、前への進み方を教えてくれるような素敵な映画でした。皆様是非劇場へ!
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1982年、東京都生まれ。幼少時より俳優として舞台やドラマ、映画、CMなどで活躍。
主な出演ドラマ作品に『人間・失格 たとえば僕が死んだら』『セカンド・チャンス』(ともにTBS)、『ひとつ屋根の下2』(フジテレビ)など。山田洋次監督映画『学校III』にて日本アカデミー賞新人男優賞やキネマ旬報新人男優賞などを受賞。2010年5月をもって俳優業を引退し、「ハイパーメディアフリーター」と名乗り、ネットを中心に活動を始めるが2014年に「俳優復帰」を宣言し、小劇場を中心に精力的に活動を再開。
2016年に監督映画「恐怖!セミ男」がゆうばり国際ファンタスティック映画祭にて上映。
現在は、映画やドラマ監督、舞台の脚本演出など幅広く活動中。
公式サイト:黒田運送(株)
Twitterアカウント:@yuukikuroda23