卓球 早田ひな『球拾い』【アフロスポーツ プロの瞬撮】
スポーツ専門フォトグラファーチーム『アフロスポーツ』のプロカメラマンが撮影した一瞬の世界を、本人が解説、紹介するコラム「アフロスポーツの『フォトインパクト』」。他では見られないスポーツの一面をお届けします。
撮影/文章:西村尚己(2021年7月21日 東京オリンピック)
7月26日に開幕するパリ五輪。
日本代表選手団は約400人で海外開催の五輪では史上最多となる。
その顔ぶれを眺めていると、私はふと前回の東京五輪で撮影したある選手のことを思い出した。
女子卓球の早田ひな選手だ。
東京五輪で日本代表に選ばれたのは、伊藤美誠、石川佳純、平野美宇の3人。
伊藤、平野と同い年の早田は、一歩及ばず代表選考レースで落選。“補欠”としてチームをサポートする
立場で臨んだ。
あの日、私が撮影に訪れたのは東京体育館で行われていた卓球の公式練習。
本番に向けて、サーブやラリーなどの練習に励む3人の傍らで、早田がひとり黙々とこなしていたのは
“球拾い”だった。
私はその直向きな姿に心を打たれ、思わずシャッターを切った。
あれから3年。
挫折から這い上がり、しっかりと夢を掴んだ早田。
いよいよ始まるパリ五輪では、日本代表の“エース”として初めての大舞台に立つ。
■カメラマンプロフィル
撮影:西村尚己
1969年、兵庫県生まれ。大阪大学大学院工学研究科修了。
人間味あふれるアスリートの姿に魅せられ、学生時代にスポーツ写真の世界と出会う。
大学卒業後は、国土交通省に勤務しながらアマチュアカメラマンとして活動するも
どうしてもプロの世界で挑戦したいという想いが募り、2016年にアフロスポーツに転職。
現在は国内外のスポーツを精力的に撮影し、人間の情熱や鼓動、匂いなど五感で感じとれる作品づくりに励む。
2007年 APAアワード写真作品部門 奨励賞
2013年、2015年 写真新世紀 佳作 ほか
★インスタグラム★
アフロスポーツ
1997年、現代表フォトグラファーである青木紘二のもと「クリエイティブなフォトグラファーチーム」をコンセプトに結成。1998年長野オリンピックでは大会組織委員会のオフィシャルフォトチーム、以降もJOC公式記録の撮影を担当。
各ジャンルに特化した個性的なスポーツフォトグラファーが在籍し、国内外、数々の競技を撮影。放送局や出版社・WEBなど多くの報道媒体にクオリティの高い写真を提供し、スポーツ報道、写真文化の発展に貢献している。
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1997年、現代表フォトグラファーである青木紘二のもと「クリエイティブなフォトグラファーチーム」をコンセプトに結成。1998年長野オリンピックでは大会組織委員会のオフィシャルフォトチーム、以降もJOC公式記録の撮影を担当。
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