THE RAMPAGE 浦川翔平のマイ刺身包丁、常磐もののヒラメでデビュー〈BUZZらないとイヤー! 第80回〉


翔平さんの包丁、ついにデビュー!

「どこでも行ける」というフレーズに翔平さんは「本当ですか?」と前のめり。「銀座おのでらはいつでも大丈夫!」と小林さんもノリノリで、スタッフにもにやにや笑いが広がります。翔平さんも「いいな、好きな魚の仕事に就けるのは……セカンドキャリア、決まった!」と笑いながらも、まんざらでもなさそう。そして、「この子をデビューさせる時がきた!」と、マイ包丁を握りなおします。

 小林さんによれば、白いサイドのほうが分かりやすくてやりやすいんだとか。そのせいか、翔平さんの包丁もぐんぐん進みます。「おー! まあ、こっちのほうが簡単だからね」と余裕のコメント。「やば! わしの包丁、使いやすい! この作業だけやりに、銀座おのでらに来ようかな」と冗談も飛び出し、アジの時とは雰囲気が違います。

 快調な翔平さんに「お、いいね!」とキッチンにいた別の職人さんから声がかかります。翔平さんの手元をのぞくと「俺よりうまい!」とにっこり。小林さんが職人さんに「もう何年でしたっけ?」と聞くと「30年!」。翔平さんは「……30年って! それ、絶対俺が超えちゃダメです」と笑います。


鱗がおもしろいように取れます

「包丁をきれいにしておかないと、なんだか引っ掛かりますね」と包丁についた鱗を洗いながしながら作業を続けます。小林さんの「包丁の使い方で手前はきれいにできていても奥のほうは削れちゃったりもする。包丁の角度とか魚の持ち方に気を配って」というアドバイスを聞きながら、お腹の面の上から下まで、はじからはじまで、きれいに鱗を取り切ります。

 翔平さんの作業を見て、「本当に向いているんじゃないかな。この仕事は几帳面なほうが向いている。几帳面すぎるぐらいがいい」と、小林さん。翔平さんは「そうですか? 几帳面すぎて日常生活に支障が出るレベルなので……」と、ちょっとうれしそうです。

 鱗がきれいにとれたところで、次の作業。ヒラメを5枚におろしていきます。骨と半身(表と裏)の3枚にするのはアジと同じですが、半身は中骨から上(背側)と下(腹側)の半分にして5枚にします。

 やり方はアジの3枚おろしの応用です。まずは背側が上に来るようにヒラメを置いて、中骨に沿って1本、骨を感じながら上部と下部にガイドとなる包丁を入れていきます。「……縁取りからですね!」と翔平さん。

 エンガワの部分から包丁を入れて開き、中骨に沿って包丁を入れて半身にしていくのですが、「ヒラメ、ムズイわ……ムズっ! 骨の上に包丁がはいっていかない」と翔平さんは視線を低くして状況を確認します。

 

 
ひっくり返しながらゆっくり

「エンガワを開ききらないと視野が狭くなる。エンガワは尾のほうが細くてお腹のほうにかけて太くなっていきますから、包丁は身の手前、本当にギリギリまで……そうしたら骨が見えてきますから」と、小林さんのヘルプが入ります。どうやら、魚をきれいにさばくためには、魚の構造を知っておいたほうが楽そうです。

 翔平さんは包丁を再度握りなおし、身をめくりながら、骨から丁寧に外していきます。背骨に向かって山になっていく中骨を感じながら上に上に包丁を入れて、骨から少しずつ外していくイメージです。ある程度まで外したところで半身の真ん中、背骨の上にガイドライン線を入れて、そこから今度は下方向に少しずつ、包丁の先端部分をうまく使って骨から身を外していきます。