自民党総裁選に史上最多の9人が立候補。所見発表演説会では経済対策、憲法改正、政治と金などさまざまな主張が飛び交う
河野太郎氏(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)
河野氏は「世界情勢が混迷を極めている。中国、ロシアといった独裁政権が力による一方的な現状変更を行おうとしている。いや、もうすでにウクライナ、東シナ海、南シナ海ではそれが行われている。我々はこれまで一国平和主義、あるいは日米同盟、こうした言葉の後ろに隠れていた。これまでの総裁選挙は国の形をどうするという議論をする。そういう総裁選挙でしたが、今回の総裁選挙は世界の形をどうするかという議論をやらなければいけない。そういう時が来たんだろうと思う」などと今回の総裁選を位置付けた。
そして「本来、こういう時に世界をどうするかはアメリカの大統領選挙の中で議論がされてきたのが、これまでの世界の歴史だったが、残念ながら今回の大統領選挙を見ていても、世界の形をどうしようという議論は聞こえてこない。今や日本が自由、あるいは民主主義といった共通の価値観を持つ国々としっかりと連携をして、どうやって世界の平和と安定を、どうやって共通の価値観を守っていくのか、それをしっかりと議論をし、日本の主張を聞いてもらい、そして日本がその役割を果たしていかなければいけない時期に来ているんだと思う。共通の価値観を持つ国々と、新たな世界の平和と安定を守るための枠組みを作ると同時に、もはや一国平和主義ではなく世界全体の平和と安定、共通の価値観を守るために、日本はどういう責任を果たすのか、どういう役割を果たすのか、それを日本は主張すると同時に実行していかなければならない」などと世界における日本の立ち位置について言及。
国内問題については「日本は自由主義経済、市場主義経済の国。この日本の経済を発展させ、今日の私たちの生活を築いてきたのは日本の民間企業の努力の賜物。政府が次の産業を目利きできるものなのか。ウォークマンにしてもファミコンにしても、そこで働いている人の英知の結晶がああした製品になったのではないか」などと語ったうえで「今、我々がやらなければいけないことは民間の活力を解き放つための規制改革」などと指摘した。
最後は「耳障りのいい議論だけで、この総裁選を終わらせてはいけない。しっかりと難しい問題も国民の皆さんにきちんと説明をし、多くの良識のある国民の皆様はそういう議論を待っているんだと思う。そういう議論をしっかりやることで、やっぱりこの国を任せられるのは自由民主党しかない、国民の皆様のそういう信頼を勝ち得るのがこの総裁選挙なんだろうと思っている。27日までひるまず論戦を挑んでまいりたい」と締めくくった。