「住み続けられる未来の大阪」をテーマに闊達な議論。最優秀賞は「挑戦する大阪」を掲げたグループが獲得
発表に向けて資料作り(撮影・蔦野裕)
第2部の冒頭には、昨年行われた「2023年度国連を支えるこども未来会議 in OSAKA」で最優秀賞を獲得し、今年3月に都庁で開催された「第4回国連を支える世界こども未来会議」に参加し、7月にはキッズアンバサダーとしてNY国連本部を訪問した北岡豊菜さんが挨拶。
北岡さんは「国連の見学で感じたことは関わっている人の多さ。会議に参加する方、職員の皆さん、見学ツアーに参加される方、国連にはさまざまな国からたくさんの人が集まっていました。世界は本当に広くて大きくて、まるで地球儀を見ているような不思議な感覚にありました。また、これだけたくさんの方が平和について考えているのならば、平和への道のりはそんなに遠くはない未来に来ているのでは?とも考えました。その後のアンバサダーとしての発表会では平和と気候変動について、それぞれアイデアが出され、どれも素晴らしかった。これから大人になる私たちも、これで終わりにせず、一人ひとりがよりよい世界について考えていければ、国連の見学で感じた“遠くない未来の平和”その一翼を担えるのではないかとも思いました。ニューヨークでの5日間は見るもの、聞くものすべてが新鮮で興味深かったです。海外の方は自分の考えをはっきりと相手に伝えることができているということも私にとっては大きな収穫でした。自分ができることはまだ限られていますが、まずは目の前のことから意見を伝え、話し合い、誰もが居心地のいい空間を作ることから始めたいです。今日、未来会議に参加されている皆さんの意見や思いが、住み続けられる未来の大阪、そして世界の平和につながっていくとうれしいです」と語った。
その後に行われた発表では住み続けられる未来の大阪を実現するために大事なこととして「協調」「挑戦」「生命や自然と思いやり」「環境への配慮」「決まりを守ること」「自然との共存」「挑戦」「自然と一体になること」「ゴミを減らして自然をよくすること」「思いやり」と各グループがスローガンを掲げ、それを実現するための取り組みが発表された。
審査の間には朝日放送テレビ気象予報士の佐藤悠氏が「異常気象がアタリマエに?~気候変動がもたらす未来~」と題したステージトークを行った。
佐藤氏は「今年の近畿地方、観測史上、何番目に暑かった?」といった天気に関するクイズをまじえながら「気候変動」「地球温暖化」、そしてその原因やメカニズムなどについて解説。今年、頻繁に発生している台風についても「温暖化で海面水温が上がったから」と説明し、海面温度の上昇が異常気象につながり、今後もスーパー台風やゲリラ豪雨が増えると警鐘を鳴らす。
そのうえで「電気の無駄遣いをしない」「再生可能エネルギーを使う」といった地球温暖化を防ぐ方法を推奨。それでも異常な暑さや大雨はもっと増える可能性は高いという予想から「今、自分たちができること」として「適応(備え)」という言葉を挙げる。これは「お天気は変えられないが、その天気に対して私たちはどう行動・対応するかという適応が今後の時代のキーワードになる」という考えから。
そして「地震は予測が難しく対策は難しいが、気象災害は事前に予測できることが多い災害。私たちの備え次第で身を守ることができる」として「天気予報をこまめにチェック」「非常用持ち出し袋の準備」「ハザードマップの確認」といった日常の「備え」の大切さを語った。