ウェアラブルデバイスで最適な生活リズムを提案!「Welloop」が目指す “未来の健康” とは

サントリーグローバルイノベーションセンター株式会社の特任上席研究員である水谷治央さん

 一般的に適正な睡眠時間は6~8時間だと言われますが、そこには個人差もあります。

水谷「もちろん最適な睡眠時間には個人差があって、皆さん朝型や夜型といった生活のリズムもあります。朝型や夜型が健康診断で問題になることはないと思いますが、実際に日常生活を営むうえでは大きな問題ですよね。夜型の人が朝早く起きて仕事することは効率が悪くなりますし、その人の遺伝子で決まっている睡眠のタイミングやリズムをうまく活用することが大切です。生まれつき備わっている体内時計のパターンをクロノタイプというのですが、Welloopがそれぞれのクロノタイプに合わせた提案をすることで、その人にとってのベストな生活のリズムで毎日を過ごせます」

 現在「健康創造都市KOBE」を標榜する神戸市と連携してモニター調査を行っています。

水谷「神戸市は先進的な取り組みをしている代表的な都市です。もともと理化学研究所があるので、研究の推進という意味では連携しやすい体制を持つ自治体で、公募制の取り組みに応募して採択が決まりました。今回は神戸市民の方を対象にモニター調査を行い、Welloopによって健康増進のために行動や意識に変化が起こるかどうかを検証しています。この取り組みで運動量が上がった、睡眠の規則性が高くなったなどの健康意識が芽生え、行動が変化したかを調査する目的です」

「Welloop」のモニター調査に参加した人からの反響は?

水谷「初めてWelloopを利用する方が多かったと思いますが、装着しやすさと睡眠の妨げにならないという理由で、リング型のウェラブルデバイスが人気でした。“終了後も継続して使い続けたい” とか “購入したいので回収しないでほしい” といった意見をいただきました。また、Welloopを利用することで健康コインが付与され、PayPayなどのポイントと交換できるので “健康コインを貯めることができて面白かった” という感想もあって、インセンティブが有効に働いたことが分かりました。私は地域活性化も重視しているのですが、ポイントを地域活動団体(NPO法人など)に寄付できる仕組みも喜んでもらえたかなと思います。次回はアニカナ(※)を活用したキャッシュバックに対応し、より魅力的な実装が実現できないか検討しています」

※編集部注:生活の中のあらゆる体験をNFT化し、それを換金することができるWeb3.0プラットフォームのこと。