森田剛「荷物を一生懸命運びます」間宮祥太朗とW主演の舞台『台風23号』開幕


 森田が演じるのは配達員。冒頭から幕が下りるまで2時間超。ずっと荷物を運び続ける。「なかなか役をつかめずにいて、演出してもらってる時に、このままやられたら、俺泣くんじゃないかなっていうくらいでもあった」というが、「とにかく時間通りに荷物を運ぶ、指定された場所に。それは生きるためにっていうまっすぐな男」だとし、「稽古で積み上げてきたという気持ちが強いのでそれを出せるように、荷物を一生懸命運びます」と意気込んだ。

 間宮が演じるのは介護ヘルパーで、老人にもその家族にもとにかく優しく、勤務時間外にも家族にヘルプを求められて対応する。間宮は「自分の中では頑張っているし人当たりもいい。自分に正当な評価をしてもらいたいという思いが強くあって、それが会話の中でいろいろ見え隠れする」という。

 間宮は本作を「すごい好きな作品」だとし、「自分の出ていないシーンであっても客席から見ることはないと思うと少し寂しい気もします。それだけ好きだと思える作品に出演できている幸せを噛み締めながら、一公演一公演大事に演じていきたいと思います」と、意気込みを語った。  

 赤堀は「この作品に限らず毎回そうなんですけど、いわゆる市井の人たち、生活者と、僕自身が同じ目線で物語を紡ぎたいと思っています。今回も特にそういう思い」と語った。

 間宮は「演じる自分もそうですけど、毎日やっていて違う感情になったりとかするんで、見てくださるお客様一人ひとりの人生とか日常生活によって、同じシーンを見ても大笑いする人がいたり涙がこぼれる人がいたりするような、そんな作品。この客席に座るお客さん一人一人の中でこの作品が大切なものになればうれしい」と、アピール。

 森田も「人々の一生懸命生きてる姿がある。(作品を見ることで)元気を出してもらって生きようと思ってもらったら」と、話した。

 27日まで同所で。11月1~4日まで大阪・森ノ宮ピロティホール、11月8・9日に愛知・穂の国とよはし芸術劇場で公演がある。