森田剛「荷物を一生懸命運びます」間宮祥太朗とW主演の舞台『台風23号』開幕

 

森田剛「なかなか役つかめず」佐藤B作「冬山を上るような作品」

 赤堀が「結構長いこと演劇に携わっていますけど、こんな穏やかな心境で初日を迎えるのは初めてで逆に不安。優秀なスタッフとキャストの皆さんの尽力のおかげだと感謝しております」と話してスタートした取材会だったが、赤堀がうれしい不安に触れる一方で、キャストはそうではなかったようで……?

 佐藤B作は「赤堀さんの作品は大好きでよく拝見していたんですけど、やるのと見るのでは大違い。冬山に登るような気持ちで稽古を重ねてきました。初日はどうしても緊張するんで楽しめなくなっちゃうかもしれないですけれども、認知症の役なんで何があっても OK かなと自分に甘い佐藤B作です」。また、他の問いかけに対しての返答では「老人の嫌なところとかダメなところとか、ちょっと救われるところみたいなことをどれだけやれるかっていうことだと思うんですけど、まだ本当に台本をよく理解できてなくて……なんか悩んでます」

 そんな佐藤に赤堀は「B作さんは冬山といってましたが、僕はスムーズにできたと思っていたんですが……」

 藤井隆も「物語がとっても難しくて、どうしたらいいか分かんない時がたくさんあったんです。図々しいですが、もう早く本番になればいいのにって思う日もありました」

 伊原六花は「稽古場から稽古にお金を払いたくなるくらいで本当に素晴らしい皆さんとの学びの多い稽古の時間で毎日が楽しかった」と違うアプローチながらもチャレンジだったことを感じさせた。

 主演の森田も、間宮とのダブル主演について聞かれ回答する中で、「僕はなかなか役をつかめずにいて、演出してもらってる時に、このままやられたら俺泣くんじゃないかなっていうくらいでもあった」と漏らしたほどだ。

 とはいえ、登場人物それぞれが抱えるもの、そうした人物を演じたキャスト陣の悩み、いろいろなものが重なってのラスト。会場を後にする観客一人ひとりに重量感のあるお土産を持たせてくれそうだ。