ミトコンドリアが活性化する注目成分「デアザフラビン」とは? 医師と研究者が解説

セミナーで解説された5-デアザフラビンの化学構造

 さらに「フラビンとはビタミンB2のことだが、これに第5ポジションのアザ基を取り除いたものが5-デアザフラビン。構造式はビタミンB2骨格でありながら、実際の機能はビタミンB3骨格のNADと同じと考えるのが妥当で、5-デアザフラビンとNMNは基本構造は違うのに機能は同じ方向性を向いている。数百種類のシミュレーションを経て実際に10種類のサンプルを作成し、総合的に最も優れたものが5-デアザフラビン」と紹介した。

 線虫で生体エネルギーのATP産生能を見る実験では、ミトコンドリアにおけるATP産生能が非常に高いことが示され、低酸素条件下でマウスの運動量を比較した実験では運動能力の向上が、マウスの海馬の神経細胞に投与する実験では形態成長効果の促進が認められた。ヒトでの長期(120日)摂取評価試験で血管年齢、末梢血流、最高血圧、視力など、肌の状態の体感を数値化して計測したところ、肌色、ハリ、乾燥、肌荒れなどが改善。また、症例として尋常性乾癬や肌のくすみ、乾燥性皮膚炎が改善されたという。

 これらのことから、荒川医師は「医学の進歩によって、人類が長い間夢見てきた不老は夢ではない時代となった。おそらく2050年くらいまでには、ある程度老化の治療が完成してくるのではないかと化学者の間では言われている。老化治療へのアプローチはさまざまだが、その中でも新型ビタミンB2誘導体である5-デアザフラビンは、NMNの上位互換というべき画期的なマテリアルだと考えている」と結論づけた。