“動かない鳥” ハシビロコウ来園10周年!神戸どうぶつ王国で「ハシビロコウシンポジウム」

 アフリカ東部から中央部の湿地やその近くの草原地帯に生息し、“動かない鳥” として知られるハシビロコウ。神戸市中央区の神戸どうぶつ王国では10月27日、神戸大学統合研究拠点コンベンションホールにて、ハシビロコウの来園10周年を記念したイベント「ハシビロコウシンポジウム」を開催した。

アジア初のハシビロコウ繁殖に取り組む「神戸どうぶつ王国」のボンゴ(オス)

 ペリカン目ハシビロコウ科に分類されるハシビロコウは、クラッタリングやおじぎ行動はコウノトリ、DNA分類ではペリカン、首を縮めて飛ぶ姿はサギに似ている変わった鳥だ。ハシビロコウが動かない理由は、野生下ではエサとなる魚が水面に上がるまでじっと待つ “待ち伏せ型” の狩りを行うためだと言われている。

 生息が確認されている国はザンビア、南スーダン、ウガンダ、タンザニア、コンゴ、ルワンダ、中央アフリカ、エチオピア、ケニア、ブルンジの10カ国。野生での生息数はIUCN(国際自然保護連合)のレッドリストで絶滅危惧種(VU)に指定されている。飼育下の繁殖が難しく、動物園での繁殖成功例はアメリカとベルギーのわずか2例のみ。2014年に開園した神戸どうぶつ王国では、同年10月にハシビロコウの展示を開始し、2021年には生息地の環境を再現した「ハシビロコウ生態園 Big bill」を新設するなどアジア初のハシビロコウ繁殖に取り組んでいる。

1 2 3 4 5>>>