いとうまい子×合田美瑞帆ロボット開発対談「ロボットが、自分と未来をワクワクさせてくれる」
若手教育、事業推進でより良い未来を見据える2人
合田「いとうさんは2025年度からiU(※2)の正教授に就任されるとのことですが、ここでは若者たちにどんなことを伝えていこうと思っていらっしゃるのですか?」
※2:iU情報経営イノベーション専門職大学。専門職大学として2020年4月に開学。640時間の臨地実務実習、起業やプレゼンテーションについて4年間必修で学ぶイノベーションプロジェクトなど、理論と実践でイノベーション人材を育成する。
いとう「『ヒューニング学』を教えたいと考えています。ヒューニングとは『ヒューマン』と『チューニング』を併せた造語で、日本語に訳すと『人を調律する』という意味です。潜在意識に働きかけて行動変容を促すコーチング技法で、個々の状況に合わせてさまざまなアプローチを行うことでその効果が発揮されます。
iUは教員の約80%が実務家で、生徒もほとんどが起業家精神を持っています。ただ、起業は大きなエネルギーを使いますし、うまくいっている時はともかく、そうでない時にはストレスも大きいですから、最悪の場合は心を病んでしまいます。しかし、それをどう乗り越えればいいのかを教えてくれる人は、まだ少ない状況です。
私は芸能界でさまざまなことを経験し、どん底から這い上がったこともあるので、その経験から会得した“心が折れてしまった時に立ち直るためのスキル”は、今後の起業家にとって必要不可欠になると確信しています」
合田「そこまで若い世代のことを考えてくださっているのですね。とても心強いです。最後に今後の展望も踏まえ、ロボットが我々にもたらす未来はどのようなものになるか、考えをお聞かせいただけますか?
ちなみに私は、人間とロボットが共存していく未来が一番理想だと思います。私自身、実際にロボット事業に携わることでロボットが人の役に立つところをたくさん見てきましたし、今はAIやロボットが世の中でも当たり前に受け入れられています。1家に1台ロボットがあるような未来が来るといいなと」
いとう「私は、ロボットが普及してほしい一方、すべてをロボットに代用させる必要はないと思っています。人間は感謝されることでやりがいや生きがいを感じる生き物なので、仕事をロボットがすべてやってしまうと、人間のやることがなくなってしまいますからね(笑)。ですので、共存と同時に住み分けも考えていくことが、より良い未来にもつながるのだと感じています」
合田「ありがとうございます。研究者の先輩であるいとうさんをお手本に、より良い未来のためにこれからも励んでいきたいと思います」
いとう「期待しています。がんばってくださいね!」
(取材・文:FM中西)