“このタイトルなら、こうだよね!”を、観せてくれる映画『侍タイムスリッパー』、コメディなのに涙が止まらなかった!【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】

 こんにちは、黒田勇樹です。

 世の中でいろいろなことが起こりすぎていて大変です。ついついなんか言いそうになるんですが取り敢えずは眺める日々を送っています。

 そして12月3日から始まる三栄町LIVE×黒田勇樹プロデュースvol.17 「いつの日か、また会おう!」のチケットが発売になりました。絶賛稽古中でなんですが、結構いい感じです。お楽しみに。

 では今週も始めましょう。

黒田勇樹

 幕末の侍が、雷に打たれてタイムスリップして、京都の太秦の撮影所(時代劇撮影の名門)に、たどり着き、斬られ役俳優として新しい人生に進んでいくというストーリー。

 あらすじ、ざっくりまとめてみましたが、まさにタイトルそのまんまなんです。
「侍がタイムスリップしたら、そうなるよなー」という物語が、面白おかしく丁寧に描かれていきます。

 あまり内容以外のバックボーンやビジネスのことは書かないようにしているのですが、今回は許して下さい。

「こりゃ、売れるわ!」

 知らないおっさん(筆者は存じてましたが、記事的にこう表現することをお許し下さい!)が主演で、インディペンデントだったのに、単館公開からの全国展開!
「第2のカメとめ」と、呼ばれるのも納得です。

 時代劇って、衣装やかつら、刀など、現代劇みたいに「私服でお願いします」みたいな節約もできないので、とても予算のかかるパッケージなのですが、それをインデペンデントでやる勇気。

 しかし、作品を見進めていくと「ああ、これが伝えたかったんだな」という、メッセージがガツンと胸に飛び込んできます。

“侍”、“幕末がどういう世であったのか”、“俳優”、“斬られ役”、“撮影所”、”映画スタッフ”、そして”時代劇”。

「戦争モノと時代劇は、若者に需要がないし、金ばっかかかって、そろそろ知っている人がいなくなるから撮れなくなるだろうな」と、いう声がそこかしこから聞こえてくる中、それに真っ向から斬りかかった“時代劇愛”が、この作品の本当のテーマだと思います。

 それを、感じて筆者は、自身も沢山お世話になった撮影所の物語に、前半から涙が止まりませんでした。
 ただ、単純にコメディとして本当に面白いので、全世代、老若男女、遊びに行くつもりで観に行くといいと思います。

 前回、記事にした『八犬伝』や「東映時代劇復活!」みたいに謳っている『十一人の賊軍』など、時代劇ブームの足音が聞こえる気がします。

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