「しっかりと勝ってほしい」武尊が現地観戦も…ロッタンは計量クリアできず王座剥奪
タン・ジンに強烈なパンチを打ち込む(©ONE Championship)
―その中で現在、技術面やメンタル面などの新しい発見や手応えがあれば教えてください。
「自分がこれまでやってきた戦い方とか、練習方法とか、そういうものを信じてずっとやってきて、それで勝ち続けてきたので、それを続けて来たのはあるのですが、前々回のスーパーレック戦で負けてその事でいろいろ考えさせられることがありました。怪我もありましたし、試合前も本当にオーバーワークで動けなくなったりとか体調を崩したりいろいろとありました。今まではそれでも勝ってきたので、変えてこなかったのですが、前回の負けで“これじゃダメなんだな”っていうのが分かって。今回の試合はいつもと違う調整方法にしたりしました。ちょっとずつですが、自分に合うやり方が作れてきたのかなと思っています」
―今後ですが、海外トレーニングなども予定していますか?
「そうですね。次の試合が決まったら、また合宿に入ろうと思っています。最近はラドウィックさんのジムではなくてLAのジムで練習しています。アメリカのムエタイジムなので、MMAの選手やボクシングの選手も来るし、もちろんムエタイファイターもいて、さまざまなジャンルの良いところをかい摘んでやれる。タイに行くと本当にムエタイの練習ばっかりになるし、それこそムエタイ選手を相手にムエタイの練習をしても経験値が違うし、同じ戦いをして勝てる相手ではないと思う。自分の強さにいろいろな格闘技の良い部分のエッセンスを加えて自分のスタイルを作り上げていくのがここ数年の自分のやり方で、行っているジムはそういうことができる場所です」
―11月9日の「ONE169」でロッタン選手がフライ級ムエタイの防衛戦を行いますが、武尊選手は現地観戦しますか?
「そうですね、見に行こうと思っています」
―ちなみに、ロッタン選手とは普段コミュニケーションは取っていますか?
「いえ、全く取ってないです。この前の試合後のリング上で初めて喋ったぐらいですね」
―そのリング上でフェイスオフしました。改めて、あの時の瞬間の感情やお気持ちを教えてください。
「“やっと試合ができるな”っていううれしさだけでした。あの時はもう“やっとコイツと戦える”っていうそれだけの喜びでした。もしあの試合で負けていたら対戦はないと思うし、自分も終わりかなと思っていたんで、ロッタンと戦えることへの喜びだけでした」
―武尊選手が感じるロッタン選手の魅力は何でしょうか?
「やっぱりONEでチャンピオンになっていることもそうだし、今までの戦いとか見てきて、本当に強さプラス唯一無二の戦い方とあのキャラクター。試合を見てなかなか熱くなれる選手って少ないと思うんですけど、僕はあの選手だったらすごい熱い試合ができるなっていうのを見て感じました。同じ階級で世界の頂点を極めている選手で、あれだけ噛み合う選手はいないと思うので、僕からしたら戦いたい理由でもあるし、魅力でもあります」