傷つけあった7日間。私たちはなぜ結婚するのか〈「さよならプロポーズ」最終話〉
長く付き合いながら結婚に踏み切れずにいるカップルが7日間のギリシャ旅行へ行き、最後に結婚するか別れるかを決断しなくてはならないABEMAの「さよならプロポーズ via ギリシャ」。別れるか、結婚するか…決断の最終日前夜、男性たちの表情は暗かった。
一足早く愛を信じる決意をした女性たちに対して、男性陣は思った以上に現実的だ。金銭問題、セックスレス問題。ただ好きだから一緒にいた2人の間に、なぜここまでの課題が生まれてしまったのだろうか。結婚って……何のためにするものなのだろう。
「嫁を養えるかっこいい男」じゃなくても、受け入れてもらえる?
決断まで残り19時間。シュウヘイはカホに、ずっと言えてなかったある秘密を告白する。彼がここまで結婚を先延ばした理由がなんなのか――MC陣も、視聴者である私たちもずっと気になってきた部分だ。
「子どもができたら(結婚できる)というのは、正直関係なくて」……その言葉の先に続いたのは“お金の不安”だった。MC陣すらも離婚歴があるのではとか、子どもがいるだろうとか妄想を繰り広げていたというのに、カホの表情も「そんなことで?」と言わんばかりだ。
男性からすると、自分から「金銭面の不安」を口に出すのはハードルが高いのかもしれない。しかしすでに同棲している2人であれば、結婚したからといってお金の使い方は変わらないはずだ。結局シュウヘイの不安は漠然としたもので、心配を口にできなかっただけで、2人の関係はここまでこじれてしまった。
シュウヘイは今まで、カホに嘘をついてきた。もちろん悪気のある嘘ではないが、大事な時に素直になれなかったこと、本心を隠してしまったことは確かだ。結婚生活は、お互いに気持ちをオープンにすることが大切だ。相手の気持ちを迷いなく信じられるからこそ、どんな苦境も乗り越えていけるのだから。
しかしカホはそんなシュウヘイを許し、お互いの収入面の不安は「2人で解決していけばいい」と語った。シュウヘイもきっと、カホに嫌われるのが怖かったのかもしれない。「男らしく嫁を養える自分」は、シュウヘイが自分自身に与え続けてきたプレッシャーだ。
なりたい自分を目指さなくても「ありのままのあなたでいいよ」と言ってもらえること……それこそが愛だ。そして、旅の間ずっと不安そうな表情だったシュウヘイが最後に出した決断は「再プロポーズ」だった。
ギリシャで自分と向き合って、ある意味ダサい姿をさらけ出し続けたシュウヘイ。そして「強がって嘘をついちゃう彼も愛せる」と語ったカホ。ここまで深く語り合えた2人の信頼関係は、日本にいた時とは比べ物にならないほど、厚くなったことだろう。