都医師会・尾﨑会長、新型コロナ定期接種伸び悩みに理解求める「十分に伝わっていない」

 東京都医師会は11月12日、都内で定例記者会見を行い、10月から始まった新型コロナウイルスワクチンの定期接種の伸び悩みについて言及した。

新型コロナウイルスワクチンの定期接種の伸び悩みについて言及した尾﨑治夫会長

 尾﨑治夫会長は、冒頭で「皆さんもお聞き及びかと思うが、大分ワクチンの接種率が悪い」と切り出し「これまで(~2024年4月1日)に7回ほど受けてきたわけだが、それに比べても非常に悪い。なぜ悪いかというと、ひとつは10月から65歳以上の方の定期接種が始まっていることが、十分に伝わっていない」と言及。

「もうひとつは “6~7回ワクチンを打ったからもう大丈夫じゃないか” という高齢者の方もかなりいらっしゃる」といい、その理由を「“インフルエンザのワクチンはどうしているの” と聞くと “毎年打っている” “もう十数回打っている” とおっしゃる。なぜ打つのかというと、抗体が少なくなるから今年も打たなきゃいけないことは分かっている。ところが “コロナに関しても同じようなことなんですよ” と言ってもまだ理解されていない」と明かした。

 ワクチン接種の意義を「コロナワクチンも半年経つと抗体価が下がってきて、効力が薄れることをお伝えして少なくとも今年は打っていただきたいという話をする。先日、報道があったけれどもコロナが5類に移行してからの1年間(2023年5月~2024年4月)で、3万2576人の方が亡くなっている。これはインフルエンザの約15倍の死亡率で、亡くなられた方の約97%が65歳以上であることが分かっている。いかに冬の流行に備え、特に65歳以上の方がコロナワクチンを打っておくことが非常に大切」と尾﨑会長。

 さらに、報道陣に対し「これも皆さんによく伝わっていないことだが、従来のmRNAワクチンがファイザーとモデルナの2種類、新たな第一三共のmRNAワクチンが1種類、武田薬品のインフルエンザなどと同じ従来型の不活化ワクチン、新たなレプリコンワクチン。この5つから希望のワクチンが打てる仕組みになっている。“新しいワクチンだけになってしまうのではないか” という誤解があるようだが、これなら打ってもいいというワクチンを打っていただくことができるので、ぜひそういったことを伝えていただきたい」と注文をつけた。

1 2>>>