都医師会・尾﨑会長、新型コロナ定期接種伸び悩みに理解求める「十分に伝わっていない」

小児の感染症に関連して子どものワクチン接種を解説した川上一恵理事

 会見では、疾病対策担当の鳥居明理事が「新型コロナウイルスはもう怖くないんじゃないかと言われるが、決してそうではなく重症化している方がたくさんいる。ワクチンで防げる病気はワクチンで防ぎましょうというのが感染症の常識。新型コロナワクチン接種の目的は全部は難しいが感染を予防する、明らかに重症化を予防する、後遺症が予防されると言われている。特に高齢者や基礎疾患を有する人は、重症化を予防するためにもぜひワクチンを打っていただきたい」。

 同じく疾病対策担当の川上一恵理事は、小児の感染症に関連し「新型コロナの患者報告数を見ると、実はどの年齢層でも患者さんが出ている。世の中の見方として “子どものコロナの症状は軽いんでしょう” と、子どものワクチンについてほとんど語られていないが、2023年の人口動態統計によると1~4歳の死因順位の第5位が新型コロナ。小児科学会や小児科医会などもこの死因順位を見て驚いているが、今年度、都内では子どもに対するコロナワクチンの助成制度を行っているところはないのではないか」といい

「子どもに接種できるワクチンは4月から一時的に発売中止されていて、この秋の接種分が来週あたりから販売開始される。1人の接種費用は大人と同じおよそ1万5000円~2万円前後になるが、ワクチンバイアル1本を1人のために開けると医療機関は赤字になるし、保護者の負担を考えると1万5000円のワクチンを2回接種できるのか。1~4歳の死因の5位になるくらい、重い病気であるという認識が皆さんの中から消えている点が非常に危惧される」などと危機感を募らせた。

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