藤竜也、ジャック・ニコルソンから声をかけられた思い出明かす
第16回TAMA映画賞授賞式(第34回映画祭 TAMA CINEMA FORUM)が30日、多摩市・パルテノン多摩にて開催。最優秀男優賞を受賞した 藤竜也が笑いを交えハリウッドのレジェンドはとの出会いを明かした。
多摩市及び近郊の市民からなる実行委員が映画ファンの立場から表彰する映画賞。
認知症で不安定になっていく姿を演じた『大いなる不在』で最優秀男優賞を受賞した藤は「バリバリのトップランナーに混ぜていただいて自分はまだ現役なんだとうれしくなりました」と笑顔。
「自慢にもなりませんけど63年この道を歩いてきて、いい加減くたびれてきましてね。そこにTAMA映画賞さんが1杯の冷たい水をくれたようで生き返りました」と受賞に感謝。
同作では海外でも高く評価。今年の7月、ニューヨーク映画祭で生涯功労賞を受賞し英語でスピーチ。
藤は「大したことないです」と謙遜しつつ「50年前に『愛のコリーダ』で大島渚さんとNYに呼んでいただいたんですけど、検閲で上映できず大島さんの別の映画を上映することになったんです。でも良いことももあって。上映後、控室から出ようとしたら、見たことのあるような人がどんどん近づいてきて…」と、それがジャック・ニコルソンだったと明かし「私の目を見て“サンキュー、良い映画だった”みたいなことを言ってくれて…勝手に思ってるだけですけど」というエピソードを明かし会場も感嘆。
当初『大いなる不在』の脚本が「面白くなかった」とあけすけに明かし「完成作を見たら年甲斐もなく興奮して、魂を持っていかれた。何年経っても台本を読む力が無いんだなと思いました」と肩を落とすなど、茶目っ気たっぷりのトークで多摩の映画ファンを楽しませていた。
【受賞一覧】
最優秀作品賞:本年度最も活力溢れる作品の監督及びスタッフ・キャストに対し表彰
『夜明けのすべて』 三宅唱監督 及びスタッフ・キャスト一同
『ぼくのお日さま』 奥山大史監督 及びスタッフ・キャスト一同
特別賞:映画ファンを魅了した事象に対し表彰
呉美保監督 及びスタッフ・キャスト一同 (『ぼくが生きてる、ふたつの世界』)
押山清高監督 及びスタッフ・キャスト一同(『ルックバック』)
最優秀男優賞:本年度最も心に残った男優を表彰
藤竜也 (『大いなる不在』)
吉沢亮 (『ぼくが生きてる、ふたつの世界』『キングダム 大将軍の帰還』『かぞく』)
最優秀女優賞:本年度最も心に残った女優を表彰
上白石萌音(『夜明けのすべて』)
河合優実(『ナミビアの砂漠』『あんのこと』『ルックバック』『四月になれば彼女は』)
最優秀新進監督賞:本年度最も飛躍した監督、もしくは顕著な活躍をした新人監督を表彰
近浦啓 監督 (『大いなる不在』) ビデオメッセージ上映
山中瑶子 監督 (『ナミビアの砂漠』)
最優秀新進男優賞:本年度最も飛躍した男優、もしくは顕著な活躍をした新人男優を表彰
松村北斗(『夜明けのすべて』『ディア・ファミリー』『キリエのうた』)
齋藤潤(『カラオケ行こ!』『瞼の転校生』『からかい上手の高木さん』『正欲』)
最優秀新進女優賞:本年度最も飛躍した女優、もしくは顕著な活躍をした新人女優を表彰
森田想(『辰巳』『朽ちないサクラ』『サユリ』『NN4444』『愚鈍の微笑み』『正欲』)
早瀬憩(『違国日記』『あのコはだぁれ?』)