訪日外国人観光客に突撃取材!「YOUはニッポンの喫煙ルールどう思う?」

 日本政府観光局(JNTO)によると、今年9月の訪日外国人旅行者数(推計値)は約287万人で、2019年に比べ26.4%も増えている。1~9月の累計では2688万人となり、2019年に比べて10.1%の増加だ。コロナ禍を過ぎてインバウンドは完全に戻り、むしろ増える一方といえる。

 諸外国からやってくる彼らは、自国と日本の文化やルールの違いに、しばしば驚くことがあるという。そのうちの一つが、日本の喫煙についてのルールだ。海外旅行客の喫煙者は、日本の喫煙ルールをどう感じているのか。不便はあるのだろうか。渋谷スクランブル交差点の喫煙所で街頭インタビューを行い、生の声を聞いた。

喫煙ルールを予習してきたと語るシドニーから来た40代の男性(筆者提供)

え、屋内で吸ってもいいの? 複雑な喫煙ルールに戸惑い

 インバウンドの延べ宿泊者数が最も多い東京都の受動喫煙防止条例によると、幼稚園、保育所、小・中・高等学校などは「屋内外問わず敷地内完全禁煙」、大学、医療機関、児童福祉施設、行政機関などは「敷地内禁煙、屋外喫煙場所設置可」、そして従業員のいないオーナーのみの飲食店では「禁煙・喫煙を選択可」だ。つまり、施設によって屋内も屋外もダメ、屋外ならオーケー、どっちも選べるなど、かなり複雑で日本人でも分かりづらい。

 欧米をはじめとした諸外国の喫煙ルールはシンプルだ。基本的に屋内喫煙は禁止だが屋外では好きな時に、好きな場所で喫煙することができる。だからこそ、日本の喫煙ルールに戸惑う外国人観光客は多い。それでも、日本は喫煙ルールが面倒くさいという噂だけは伝わっているようで、シドニーから来た40代の男性は「日本の喫煙ルールは特殊だと聞いたから事前にYouTubeで見てから来たよ。シドニーでは屋外ならどこでも吸えるから、日本のルールを知った時はびっくりしたね」と話す。

 東京で確実に喫煙できる場所は公衆喫煙所、一定の条件を満たした喫煙を主目的とする施設(シガーバーやたばこ販売店など)、ホテルの客室や居宅だが、これがむしろ外国人観光客にとっては混乱の元になっている面もある。

「屋外で喫煙していけないことは知っていたけど、(オーナーのみの)レストランやバーで吸ってる人を見かけてびっくりしたの。『屋内はいいの?』って。ルールがよく分からないわ」(フランス人、女性、30代)

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