日本の「伝統的酒造り」ユネスコ無形文化遺産に登録決定!「世界でも類を見ない作り方」

ユネスコ無形文化遺産の登録決定を喜ぶ小西新右衛門会長(左)と宇都宮仁理事

 小西会長は、世界で日本の酒が注目される背景を「以前から感触はあったが、一番のターニングポイントは(2013年の)『和食』の登録。ペアリングにおけるお酒の面白さが少しずつ理解され始めた中で、ここ数年ヨーロッパを中心にソムリエの方たちからお酒に関心を持っていただき始めた。食中酒の位置付けはワインがすべてと思っている方たちに、日本のお酒の存在を理解され始めたということはすごく手応えを感じた」と明かし、

 今後について「今回『伝統的酒造り』はこうじ菌の範囲だが、ベルギービールは『ベルギービール文化』として登録されている。文化でいうと醸造酒の日本酒と蒸留酒の本格焼酎・泡盛は違うわけで、これまで主張したくてもしづらい部分があったが、これからはそれぞれが持つ文化をどれだけ理解いただくかという努力が非常に大切。こうじ菌というものの面白さは、これまで酒造りを支えてきただけでなく、これからさまざまな技術面で生きてくることがあると思う。『伝統的酒造り』を軸にしながらいろいろ考えていくことが大事だ」と訴えた。

 最後に小西会長は「お酒は、醸造酒の中でも並行複発酵という糖化とアルコール発酵が同時に行われる世界でも類を見ない作り方で作られている。日本の皆さんにもワインとビールとお酒がどう違うのか、これをきっかけに少し思いを馳せていただければ。このお正月に『伝統的酒造り』のお酒で乾杯しようと思っていただけるとうれしい」、宇都宮理事は「今晩はぜひ記念に日本のお酒で乾杯していただければ」と呼びかけた。

 日本酒造組合中央会では今後、ユネスコ無形文化遺産登録を記念した関連イベントなどを予定している。