朝倉海を迎え撃つ王者パントージャ「朝倉の打撃は警戒。勝負の鍵となるのはグラップリング」【UFC 310】
昨年7月、ブランドン・モレノ(左)を破り、パントージャは王座を獲得(写真:AP/アフロ)
そんな堀口選手との練習はどのようなものですか?
「恭司とのトレーニングがどんなかって? ぶっ飛ばしてやってるよ! なんてね、もちろんそれは冗談で、素晴らしいんだよ。すごくたくさんのことを学んだ。何より、恭司のおかげで俺のファイターとしての考え方はすっかり変わったんだよ。いかにしてポイントを取り、スコアが付いて、そしていかに勝つかを教わった。それに、とにかく感謝しかなくて、自分を助けてくれたときというのは、家族、子どもたちの面倒も見てくれて、恭司とても特別な存在なんだよ」
朝倉対策として意識していたことは?
「ヒザはもちろんだけど朝倉は打撃のスペシャリストだからその点で警戒はもちろんしていて、それを踏まえても自分の勝負の鍵となるのはグラップリングだから、たくさんの練習を重ねた」
打撃は朝倉選手の大きな武器ですが、パントージャ選手のほうが武器の量自体が多いと思います。そのことがアドバンテージになると思っていますか。
「もちろん。自分がよりコンプリートファイターだし、自分が持っていきたい方向に試合運びができる、ゲームメイクできると思っている。自分は彼と打撃でやりあえて、さらにグラップリングがある。さらに、チャンピオンシップは5ラウンドあるということ。彼には5ラウンドマッチの経験がないから、その点も自分が優位だと思うし、その上で早期フィニッシュを狙いに行くつもりだ」
今のお話を踏まえて、5ラウンド、ドロドロの試合にひきずりこむという考えはありますか? やはりおっしゃったように、とにかく早いラウンドで決着するように仕掛けていくのか。
「自分はどっちもできるわけだから、5ラウンドまで行ったとすれば彼の功績を称えるという感じかな。だって、俺は最初からフィニッシュを狙っていくわけだから。俺がやりたいこと自体はそれだから。俺は、世界に誰がフライ級最強なのかを知らしめたいし、試合がどうなろうと絶対に自分はフィニッシュできると信じてる。朝倉はバンタム級から落としてきたわけで、自分よりも大きく体が強い相手と戦うという挑戦こそ、俺がやりたかったことなんだ」
バンタム級から階級転向してくるという点で、どこまで朝倉選手がリカバリできるかなど、気になることはありますか?
「彼のリカバリがすごくうまくいくとは考えないようにしている。彼に取ってタフな試合をしたいということを念頭においているのだけど、彼がバンタムから落としてくるということは自分より優れた状態になるとは思わないというか、むしろ大きい分だけ、落ちる、劣ると思っていて。そう言うふうに考えることが自分の勝利にとっては大事なことでもある」