巨大ダイオウイカや珍しい貝類50種の日本初展示も!“貝類愛” にあふれる上野「貝類展」

二枚貝綱だけでもさまざまな種類の標本が並んでいる

 第1章「貝類の多様性の成り立ち」では、生物としての貝類の全体像を見ていく。現生する軟体動物は大きく8つの綱(こう)グループに分かれ、そこから「上科」と呼ばれる分類群を代表する約270種類の標本が並ぶ。二枚貝綱(ホタテガイ、カキやアサリの仲間)や頭足綱(タコやイカの仲間)、腹足綱(巻貝、ウミウシ、カタツムリの仲間)はそれぞれ独立した展示コーナーが設けられ、生息環境や貝殻の形態、貝殻を持たないなどの多様な貝類も紹介する。

 展示方法も凝っていて、1cm以下の小さな貝は実物の隣に拡大写真を展示。乾燥標本は黒いソフトボードの上に正しい姿勢で固定され、液浸標本はすり合わせ瓶のほか、視認性を高めるためにパウチに入ったものも。ウミウシの仲間は、美しい色を保ったグリセリン標本をきしわだ自然資料館からレンタルしている。

多様な色彩や模様を持っていることも貝類の魅力のひとつ