東京都医師会 “奇跡の9連休” でコロナ流行懸念「65歳以上の方にワクチン接種をお願いしたい」
5年ぶりに最大9連休が見込まれる年末年始を前に、東京都医師会は12月10日、都内で定例記者会見を行い新型コロナウイルス流行に注意喚起した。
尾﨑治夫会長は「今週発表された(11月25日~12月1日の)定点医療機関あたりの患者報告数は1.35人と、前週の0.99人から増加している。この冬に流行するという予測もあり、基本的な対策について再度お話ししておいたほうがいい」として、
現在の状況を「ゲノム解析によると、新しい変異株のXECが42.9%に増えてきており、従来のKP.3からだんだん置き換わっていくのではないか。この変異株はオミクロン系統だが、KS.1.1株とKP.3.3株の遺伝子組み換えによって生まれ、免疫逃避能が高いと言われている。従来株に感染して抗体を持っている方も感染する可能性があり、本格的な寒さが到来して換気のよくない場所で密集する、年末年始で人の移動が激しくなる中で、かなり流行するのではないかという予測が出ている」と説明。
尾﨑会長は「私どもとしてはなるべく患者さんを少なくする、なるべく重症化する方を少なくするということで、やはりワクチンをきちんと打っていただきたいというふうに強く思っている」と危惧し、
改めて「新型コロナが5類感染症に移行して、1年間で3万2576人の方が亡くなっている。これはインフルエンザの死亡率の約15倍、亡くなられた方の約97%が65歳以上で、やはり65歳以上の方にとっては今も新型コロナは怖い病気であることは間違いないと思う。それにもかかわらず対象者の約10%程度の方しか定期接種を受けていないのではないか。厚生労働省は当初、40%程度の接種率を予想していたようだが、このままでいくとその半分にも満たない」などと言及。