「学校でもシェアリングを」北区の小学生が地域の課題を議論「持続可能な街づくり」アイデアでNY国連本部を目指す
発表前には、2023年度「国連を支える世界こども未来会議in KITA-ku」で最優秀賞を獲得したチームの1人、吹訳悠眞(ふきわけ ゆうま)さんが登壇。北区でのイベントで優勝後、2024年3月に都庁で開催された「第4回国連を支える世界こども未来会議」に参加、さらに、その中から〈マイナビ キッズアンバサダー〉5人のうちの1人に選ばれ、2024年7月にNY国連本部を訪問した吹訳さん。国連本部での発表や、グラウンド・ゼロ、9-11博物館の見学などNYでの体験を振り返り「この経験を通して大事だと思ったことが2つあります。一つ目は英語の重要性です。特に感じたのは、現地の人々と話すとき恥ずかしがらずに話すことが重要だと思いました。2つ目は伝えることの重要性です。問題を解決するにはアクションを起こすことが必要ですが、そのためにまず現状を伝えていくことも大事だからです」と語り「NYでの体験は唯一無二のものになりました。世界を見る目が変わります。ぜひ皆さんにも経験してほしいです」。
発表では「プロキングという、ゴミ拾いとジョギングを合わせて行うスウェーデン発祥の催しを開催し楽しくゴミをゼロにする」、「放置されている空き家を防災倉庫や避難所などに有効活用して区民の防災意識を高める」など具体的な行動案が目白押し。子どもたち自身も審査するとあって、発表後は他グループの子どもたちからも「人材はどう確保するんですか」といった鋭い質問も。その場で相談しながらフィードバックに対する回答を導き出す子どもたちに会場からも拍手。
最優秀賞を受賞したのは「自分が使わなくなったものも使いたい人がいると思うので学校でも友達とシェアをする」というシェアリングを意識したエコシステムを構築するアイデアを発表したCグループ。
審査を終えたやまだ加奈子北区長は「大人の審査員の票と皆さんの票を総合して考えたのですが僅差でした。Cグループの皆さんは、北区としても大きな課題である環境問題に対して、シェアリングや再利用をするという、さまざまな仕組み作りの提案があり評価されました」と総評し、会議を終えた子どもたち全員をたたえた。
最優秀賞を受賞したチームは、2025年3月23日に東京で行われる「第5回国連を支える世界こども未来会議」と、同8月に大阪・関西万博にて行われる「国連を支える世界こども未来会議FUTURE SUMMIT みらい総会」に参加できる。
この日の登壇者は朝日透氏(早稲田大学先進理工学部長・研究科長/教授)、審査員・やまだ加奈子氏(北区長)、福田晴一氏(北区教育長)、大前孝太郎氏(城北信用金庫理事長)、一木広治氏(一般財団法人ピースコミュニケーション財団代表理事、豊島区SDGs未来都市推進アドバイザー)、伊藤明子氏(株式会社まち・ひと・しごと研究所代表取締役、前消費者庁長官)。