万博開幕の4月から大阪は原則屋内禁煙に。飲食店の現場はルールのややこしさ、条令発令後に実際どうなるかが読めないことに困惑

写真はイメージ
 別の繁華街にある居酒屋でも対応に苦慮しているようだった。このお店は広めで従業員も多数いる。ママは「うちは今はまだタバコは吸っていい条件なんだけど、例えばバイトの子が二十歳未満とか、小さい子供を連れたお客さんが来た時はダメなんですよ。そこが難しいところ。うちは子連れが多いんです。ベビーカーで赤ちゃん連れてきてくれる人もいる」と現状を明かしたうえで「4月からでしたっけ? どうなるのかしらねえ」と思案顔。
 
 というのもこのお店は外で飲食するスペースもあり「そこが今微妙なんですよ。外って言えば外やし…」とのこと。
 
 広めといってもお店の造作上、喫煙室を作るというのはなかなか難しそうなのだが「それを作らないとダメというなら考えないといけないですよね。うちは2階もあるので、タバコを吸わない人は1階で、吸う人は2階みたいに分けるのでもいいのかしら…。そういう感じでやらないと他の人が店の前を通った時に“ここ吸ってるやん”と思われてもいややし、SNSでなんか言われても困るし…」と悩みは尽きない。
 
 また、この店ではインバウンドの外国人客が増えているらしいのだが、彼らは子連れで来た場合は「中で吸っていいよ」と言っても絶対に外で吸うとのこと。しかし1月からは全面路上喫煙禁止になるので、こういった外国人たちに説明をするのも大変そうだ。
 
 他にも雑居ビルにあるカウンターだけの居酒屋、現在はまだ喫煙可能なおしゃれなたこ焼きバー、長めのカウンター、テーブル席、VIPルームもあるバーなどのマスターにも話を聞いたのだが、懸念点として共通しているのはルールのややこしさとか条令発令後のさまざまな動きが読めないこと。
 
 その根底には「そんな固いこと言わなくても、今現在、喫煙者と非喫煙者は仲良くやっている」という大阪特有の風土があるのかもしれない。実際に「自分は吸わないが、吸っていても気にならない」という客も多かった。
 
 またもう一つの共通点としては「万博? 盛り上がってる話なんて聞いたことがない」ということ。果たして大阪は「いのち輝く未来社会」をデザインできるのか…。
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