やっぱり失敗しないのか!? 超大作ロングラン医療ドラマのフィナーレを見届けてきた!『劇場版ドクターX』!【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】

 こんにちは、黒田勇樹です。

 長かった正月休みも終わり、皆さん、日常生活に戻り始めたところでしょうか。

 僕は1月21日から始まる舞台、四宮由佳プロデュース「どらきゅらぁズ」の絶賛稽古中です。年末年始は稽古はお休みでしたが、かと言ってそんなにのんびりもしていられず、結局のところずっと通常運転でした。

 今回は俳優としてガッツリ出ますのでお楽しみに。

 では今週も始めましょう。

黒田勇樹

 12年間のドラマシリーズを経て、待望の映画化に併せてまさかのクライマックス! 筆者は42才なのですが、30才から干支が一周するまで楽しませてもらったことになります。

 もはや、水戸黄門やサザエさんのように「終わらないでいつまでもそこにあるコンテンツ」だと、思っていたドクターXが、まさかの”ファイナル”

 継続を目的として作られたパッケージに、物語を持ち込むと”変化”が、生まれてしまうのでいつか終わりが来てしまいます。サザエで時計を動かしたら、カツオを就職させなきゃいけなくなるような感じとでも言いましょうか。

“絶対に失敗ない女医”である、大門未知子のラストは、誰がどうあがいても「失敗する」しかないんですよね。ここで失敗しなかったらまだまだシリーズは続けられますし“決着”を、どうつけるのか、非常に興味を持ちながら劇場へ向かいました。

 素晴らしかった!「失敗」とか「成功」とかの先にある「命のあり方」に向かい合う医療モノとして最高のラストが描かれていました。

 医療モノって、タイミングにもよるのでしょうが、筆者の祖父が集中治療室に入っているときに「ドジっ子ナースの奮闘記」みたいな、ドラマをみれば「いや、うちのおじいちゃんは絶対コイツに担当させないでくれ」とか「救急病棟の現実」みたいな作品だと「ああ、じいちゃんももう助からないんだ」とか、観ているのがしんどい場面も非常に多く、エンタメとして世に出すのは非常に難しいジャンルだと思われます。

 さらに、シリーズ物になっていくと「命が軽視される」とでもいうんですかね? 1つの命が、物語を動かす装置のように扱われ「失敗しない」がゆえに「どうせ助かる」となることも多々見受けられるのですが

 このドラマシリーズはラストで「成功」「失敗」の先にある「命を扱う業(カルマ)」と、向かい合っていて、これは「ドラマ制作班として“命”という題材を扱う」という側面も登場する医療従事者たちの「“命”に向かい合う」どちらも突き詰められていたストーリーになっていて、圧巻でした。

 西田さんのせいで余計に意味ができちゃったしね!(尊敬と敬意をもって、あえて軽口を叩いています)

 これも長年、医療を通して命と向かい合ってきたチームのゴールだったのかな、と、思います。
 これを観てから、全シリーズ見直しても楽しめる傑作なので、是非、皆さま劇場へ!

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