バドミントン・ダブルスの魅力【アフロスポーツ プロの瞬撮】

 スポーツ専門フォトグラファーチーム『アフロスポーツ』のプロカメラマンが撮影した一瞬の世界を、本人が解説、紹介するコラム「アフロスポーツの『フォトインパクト』」。他では見られないスポーツの一面をお届けします。

女子ダブルス 志田千陽・松山奈未ペア
混合ダブルス 渡辺勇大・田口真彩ペア
男子ダブルス 小野寺雅之・谷岡大后ペア(撮影/文章:長田洋平 2024年12月26・27日 全日本総合バドミントン選手権 1-2回戦)
バドミントンのダブルスを撮る際には、ある程度「型にはめる」ことを心掛けている。
ダブルスなので二人が写っていることは必須。その上でバランスの取れた構図の瞬間が来るまで待ち続け
る。とりわけ前衛が前に出て打つ時を狙っているが、その「型」になかなかはまってくれなかったのが
シダマツペアだ。二人のプレーは横並びの陣形の時間が長く、その上スピードがとにかく速い。
これまで撮ってきた歴代のペアとは少し異なったプレースタイルに戸惑いを感じたが、その分仕事のしが
いもある。さらに時折見せる2人の表情もまた素敵で、機会があればまた撮りたいと思いながら撮影してい
た。
 
シダマツペアの他に、今回はあと2組取り上げたいと思う。
まずは混合ダブルスの渡辺勇大・田口真彩組。「わたがしペア」として2大会連続のメダルを獲得した渡辺
勇大の新ペアということで現場でも注目度は高かった。渡辺勇大はスピーディでありながら、どこか
スマートさも感じさせるプレーがかっこいい。またしても「型」にはめようとしたが、こちらも中々
チャンスが巡ってこない。上手ければ上手いほど、選手達は型にはまらない動きをするのだろうか。
時間制限もある中でなんとか撮れた1枚はバストアップで狙った1枚。まだまだ撮り逃している瞬間が
多く、撮り足りないと思える選手達だ。
 
最後に男子ダブルスの小野寺雅之・谷岡大后組だ。
僕は初めて撮影したペアだったが、男子ダブルスの面白さが詰まったペアだと思った。
男子ダブルスは女子・混合よりもプレースピードが速く、プレーの幅・バリエーションも多彩だ。
さらに、試合中に見せるガッツポーズも気合が入っている。今回掲載したのは勝利の瞬間のリアクション
だ。トリッキーなプレーも合わせて持つ小野寺・谷岡組。自分の待っている「型」よりも面白いプレーの
数々に魅了された。2人の今後に期待したいと思える試合に立ち会わせてもらえて幸運だった。
バドミントンは真新しさもさることながら、継続して撮る事もまた面白さに深みを与えてくれる。
ロス五輪まで続く道のりもまた継続的に撮影していきたいと思えた2024年の年末だった。
 
■カメラマンプロフィール
撮影:長田洋平
1986年、東京出身。かに座。
早稲田大学教育学部卒業後、アフロ入社。
2012年ロンドンパラリンピック以降、国内外のスポーツ報道の現場を駆け回っている。
最近では平昌オリンピック、ロシアW杯を取材。
今年の目標は英語習得とボルダリング5級。
 
★インスタグラム★
アフロスポーツ

1997年、現代表フォトグラファーである青木紘二のもと「クリエイティブなフォトグラファーチーム」をコンセプトに結成。1998年長野オリンピックでは大会組織委員会のオフィシャルフォトチーム、以降もJOC公式記録の撮影を担当。
各ジャンルに特化した個性的なスポーツフォトグラファーが在籍し、国内外、数々の競技を撮影。放送局や出版社・WEBなど多くの報道媒体にクオリティの高い写真を提供し、スポーツ報道、写真文化の発展に貢献している。

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