フジテレビが日をまたいで約10時間半の「やり直し会見」。嘉納会長と港社長が辞任。日枝相談役は出席せず

新社長となる清水賢治氏
中居氏への対応については、人権侵害が行われた可能性がある事案でありながら適切に社内で共有されず、中居氏に対しても正式に調査は行われず。それは正式な調査によって多くの人間が知ることになると女性のケアに悪影響が出るのではと危惧し、また中居氏から女性に連絡がいくことがあればさらに傷つけるのではという考えから積極的に聞き取りを行わなかったという。女性とは医師を通じたコミュニケーションしか取れず、繊細なことを確認しずらい時期もあり状況が安定するまで待とうという考えだったという。
その一方で2023年7月にフジテレビ社員に連絡があり、中居氏が女性とは異なる認識を持っていることを把握。当事者以外は介入しずらい難しい問題ととらえ、当事者間で示談が進んでいるという情報が入ったことも調査を躊躇する一因になったという。
また中居氏の番組出演継続については、調査を行い適切に判断されるべきだったと認識しつつも「まつもtoなかい」は2023年7月に始まったばかりで唐突に終了することで憶測を呼ぶことを危惧し番組を終わらせるという大きな動きを控えたいという判断があったという。2024年1月に松本人志氏が芸能活動休止を発表した際に番組終了の機会があったにもかかわらず「だれかtoなかい」に変更し番組出演は継続。またその間、社内での情報共有も限定されていたことから他の単発番組へも出演。こういった判断が適切だったかも第三者委員会の調査にゆだねるという。
事案が発生した食事会への社員Aの関与があったかどうかについては、昨年7月に女性が社員と面談した際に、社員Aに対する嫌悪感を示したことがあったのだが、面談した社員が社員Aが中居氏と女性の関係に関して何か問題があるかかわりがあるとは認識せず。よって社員Aに対する事実確認までは行わず。その後、昨年末の報道で社員Aが中居氏と女性の件に直接の関与があったかのような指摘を受け、社員Aの存在が取りざたされることに。報道によれば女性は中居氏から社員Aを含む食事会に誘われたが、他の参加者は直前にキャンセルし、中居氏と2人きりになり、そこで意に沿わない行為を受けたとされているのだが、この報道を受け、社内では特命担当役員の元コンプライアンス推進室を含む社員10名程度が弁護士の助言を受けながら事実関係を調査。女性への聞き取りはできていないという。
調査メンバーは社員Aに聞き取りを複数回行うが、社員Aは当日の食事会そのものの存在を把握しておらず、会の設定はしておらず、キャンセルしたこともないと証言。社員AはスマホのショートメッセージやLINE等の履歴も提出。当該食事会が行われたとされる日の前後のやり取りを確認したが、社員Aと中居氏、あるいは女性とのやり取りを見て、当該食事会への社員Aの関与をうかがわせる内容のものは確認できなかったという。