舞台『千と千尋の神隠し』 ロンドン名門演劇賞受賞の快挙「駿さん本当にありがとうございます」

舞台中央にジョン・ケアード(翻案・演出)。右に尾木晴佳(プロデューサー)、イアン・ギリー(共同プロデューサー) :東京提供

 舞台『千と千尋の神隠し』が日本時間2月10日朝(ロンドン時間同日夜)に、イギリス・ロンドンにて開催された演劇賞「WHATSONSTAGE AWARDS」授賞式で“Award for BEST NEW PLAY”(最優秀新作演劇賞)を受賞。翻案・演出のジョン・ケアードがスピーチで原作者の宮﨑駿氏に感謝した。

「WHATSONSTAGE AWARDS」は今年で25年目を迎える演劇ファン参加型の老舗演劇賞。舞台『千と千尋の神隠し』は、今回受賞した“Awards for BEST NEW PLAY”のほか、“BEST SUPPORTING PERFORMER”(増子敦貴)、“BEST SET DESIGN”(ジョン・ボウサー、トビー・オリエ)、“BEST COSTUME DESIGN”(中原幸子)、“BEST WIG,HAIR AND MAKEUP DESIGN”(宮内宏明)でノミネートされて注目を集めていた。

 授賞式には、翻案・演出のジョン・ケアード氏、プロデューサーの尾木晴佳氏(東宝)、共同プロデューサーのイアン・ギリー氏(PWプロダクションズ)が登壇。

 ケアード氏は、妻で共同翻案の今井麻緒子氏やカンパニーへの感謝とともに「日本とイギリスのコラボレーションにより、作品を作れてうれしいです。イーストエンド(世界の極東)から(ロンドンの)ウェストエンドへ作品を持ってくるのは大変な苦労がありました。ただ、すべてにおける、本当のマジシャンはスタジオジブリの宮﨑駿さんです。彼の素晴らしい映画は、私たち全員に多大なるインスピレーションを与えてくれました」と語り、最後は日本語で「駿さん、本当にありがとうございます」。会場からも大きな拍手が沸き起こった。

 東宝演劇は、1966年に開場した現・帝国劇場で製作した『風と共に去りぬ』の世界初演ミュージカル化を1972年にロンドン・ドルリー・レーン劇場で上演。昨年『千と千尋の神隠し』をロンドン・コロシアムで4カ月上演し30万人を動員。ロンドン演劇界でも高く評価。今回、悲願の受賞を果たした。舞台『千と千尋の神隠し』は今年7~8月に中国・上海で上演を予定しており、さらなる広がりに期待できる。

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