引退発表の“大井の帝王”的場文男が「騎手については精いっぱいできすぎたくらいできた」と語りつつも「今一番やりたいことは競馬に乗って勝ちたい」

引退会見を行った的場文男

“大井の帝王” と呼ばれる名ジョッキー、的場文男が2月17日、東京シティ競馬(TCK)内で引退会見を行った。的場は14日に3月31日付で引退することが発表されていた。

 的場は1956年9月7日、福岡県生まれ。1973年10月16日にデビューし騎手生活は51年5カ月に渡る。的場は昨年2月にヒザを負傷。その後、騎乗を再開したものの、ヒザの影響もあってか思うような騎乗ができず、体力的にも限界を感じるようになり、騎手としてのキャリアに終止符を打つこととなった。最後の騎乗は昨年7月8日の第3レースとなった。

 的場は会見の冒頭「この度、引退となりましたが皆様の応援があって51年間騎乗できたと思っています。騎手として4万4000近く乗せていただいたし、7425近く勝たせていただいて、感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございます」と関係者やファンへの感謝の言葉を述べた。

 51年の騎手人生の中で印象に残っているレース、馬については帝王賞を勝ったハシルショウグン(1993年)、コンサートボーイ(1997年)、ボンネビルレコード(2007年)、東京大賞典のカウンテスアップ(1986年)といったレースと馬名を挙げた。この帝王賞3勝の中では「どれもうれしかったが、ボンネビルレコードとコンサートボーイは変わらないくらい。ハシルショウグンはずっと昔なので“また来年からもチャンスはあるから勝てるだろう”と思った。コンサートボーイとボンネビルレコードはこっちはなかなか勝つ機会がない時代だったので、よく勝ったなと思っている」と目を細めた。同レースは1995年から中央・地方全国指定交流競走に指定されJRAから続々と強豪が参戦するようになり、地方馬はなかなか勝てない時代が続いていた中での勝利だった。

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