引退発表の“大井の帝王”的場文男が「騎手については精いっぱいできすぎたくらいできた」と語りつつも「今一番やりたいことは競馬に乗って勝ちたい」

最後も深々と頭を下げて会見場を去った

 後輩の若いジョッキーたちには「苦労もあるでしょうけど、一生懸命騎乗していればチャンスは絶対に来るので、若い騎手たちにはとにかく自分のできることを一生懸命、精いっぱいやって騎乗してもらいたいと思っています」との言葉を贈った。

 最後は立ち上がって「長い間お世話になりました。ありがとうございました」と深々と頭を下げ、会見場を去った。

 的場は1983年に年間129勝を挙げて自身初の大井競馬リーディングに輝くと、その後、1985年から2004年まで20年連続で大井リーディングに君臨。2002年には年間363勝を挙げて、自身初の全国リーディングを獲得。翌年と合わせ2年連続で全国リーディングに輝いた。重賞は昭和52年にアラブ王冠賞をヨシノライデンで獲得したのを皮切りに154勝を挙げた。

 2017年7月に7000勝を挙げ、2018年8月12日には佐々木竹見の持つ記録を更新する地方競馬通算7152勝を達成し、日本競馬史上、最多勝利記録保持者となった。以降、地方競馬最多勝記録、最年長勝利記録、最多騎乗数記録、最年長騎乗記録といった記録を騎乗するたび、勝利するたびに更新。昨年7月8日の第3レースのブラウンリバティが最終騎乗となった。

 通算成績は4万3497戦7424勝。そのほかにJRAで4勝、海外で1勝を挙げている。重賞は154勝。大井競馬リーディングを21回、地方競馬全国リーディングを2回獲得した。令和2年には騎手として初となる黄綬褒章を受章している。

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