歌舞伎町・王城ビルで齋藤陽道写真展「神話 7年目」開催!大自然と子どもの連作約60点展示

 写真家の齋藤陽道の写真展「神話 7年目 ―― 人間が始まる」が、3月27~30日の4日間、新宿・歌舞伎町の王城ビルにて開催される。

齋藤陽道写真展「神話 7年目 —— 人間が始まる」より《我らの肖像》©️Harumichi Saito

「神話」とは、全国各地で撮影した大自然の中で憩う子どもの姿を捉えた写真作品。2011年に発生した東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所事故で、放出された放射能の半減期である約130年(セシウム137)~約2万4000年(プルトニウム239)という膨大な時間に、写真がどのように抗えるかを模索したシリーズだ。作家は古来より伝承される “7つまでは神のうち” という言葉を元に、7歳までの子どもたちが神のような存在として世界と対等に振る舞う姿を撮影してきた。

 2017年から9年間かけて撮影した同シリーズの集大成となる「神話 7年目」では、自身の視点で「現代神話」を再解釈し、展示空間を通して失われかねない自然の姿や大きな希望としての子どもの存在を見つめ直す物語を語りかける。東京の中で最も大きな変化を遂げている新宿・歌舞伎町の王城ビルで写真展を行うことで、未来への継承を築き上げたいとの考えだ。

 なお、本展では作品1点1点にタイトルがつけられているが、齋藤が作品展やシリーズ名以外にタイトルをつけることは珍しく、作品・タイトル・空間を含めた魅力的な世界観が楽しめる。

 齋藤は開催にあたり「『神話』における写真は、未来永劫変わらない光景への祈りです。数千、数万年先も当たり前のようにあってほしい光景として撮影してきました。自然よ子どもを畏怖の対象として見つめ直すきっかけとなることが私の願いです。その根本に、写真の圧倒的な力に自分自身が呑み込まれたいという渇望があります。すべてはその想いに突き動かされています」とのメッセージを寄せている。

 会場では大判プリントを中心に約60点を展示。プリントを手に取って鑑賞できるスペースやプロジェクター投影があるほか、会期中は染め物ワークショップ「神話のかけらをそめる」、28日にはLOFT/PLUS ONEにて編集者・写真家の都築響一とのトークイベントが行われる。

 齋藤陽道写真展「神話 7年目 ―― 人間が始まる」は3月27~30日、王城ビル2〜3階にて開催。入場料は1000円(会期中はチケット提示で何度も入場可)、高校生以下は無料(要学生証提示)。

1 2 3 4>>>