ONE世界フライ級王者となった若松佑弥 真のフライ級世界一をかけたUFC王者パントージャとの対戦も視野に

時折り、頬を緩める若松

 王者としての実感がまだないという若松。今後、どういうことがあったら実感が持てるようになるのかについては「これでいいのかな、という感じはある。それがブレーキではないが、いい塩梅で半分はうれしい。自分は陰と陽を大事にしているんですが、そういうことなのかなと。振りすぎると調子に乗ってしまうので、これでいいのかなという感覚はあるので、このままなのかなという思いはあります。ベルトを見たら実感はわく。でも片づけたら冷めるという感じ」と自身の現在を俯瞰して見る。

 調子に乗るようなタイプには見えないのだが「今まで生きてきた中で、結構調子に乗って痛い思いをしてきたので、あんまり調子には乗らないんですよ。散々調子に乗って飛んできた人間なので(笑)。それが恐怖というか」とのこと。また「あと、父親になっているのもあります。子どもたちがいるので、下手なことも言えないし。これで独身だったらはちゃめちゃだったかもしれない(笑)。でも守るものがあるので、人としてというか王者としてではないが、そこは意識している。日本人としても」と続けた。

 そして「これを死ぬまで続けないといけないなという感じ。これで調子こいて変わってしまったらそれは違うと思うので。自分が信じていたことが自信になった感覚。もし今回負けていたら、終わっていたかもしれない。今回は自分はやるだけやったので、負けたら本当にやめようというくらいの気持ちだった。やってきたことが間違いではなかったということが今回、これで証明されたので引き続き、それをもっと磨いていこうという感覚になりました」「自分の中でやりたいことをやって、家族を犠牲にして、生活のすべてをかけてやってきた。これで最後だという気持ちで。周りにわがままを聞いてもらって、自分がやりたいようにやったので、さすがにこれで負けたら、みんなにもうそんなことはできないなと思った。もう限界だったというかそういう思いで。だってこれで負けたら、それは正解じゃないというわけじゃないですか。その時はめっちゃ落ちていたと思います」と「負けたら終わり」の覚悟で臨んでいたことを明かした。