金メダリスト対談 女子柔道・角田夏実×技能五輪・吉⽥陽菜「負けず嫌いなところは同じですね」

挑戦を支えてくれるのは会社やチームの仲間たち、そして自分の根源にある思い
吉田「実は、私は今回、4度目の出場でした。1回目は敢闘賞、2回目は銅賞と、順風満帆な結果を出していたのですが3回目で金賞を目指すぞとなったときに、プレッシャーがあったのか記録がガクッと下がってしまい、結果は敢闘賞でした。選手の多くは、3年挑戦したら競技を引退することが多いのですが、私はどうしてもこのまま終わるのは悔しくて、会社やチームの方に相談し、もう1年頑張ることにしたんです」
角田「負けず嫌いなところは同じです。悔しい思いは挑戦を続ける糧にもなりますが、その思いが強ければ強いほど、伸び悩むつらさも大きいですよね」
吉田「そうですね。私も、どれだけ頑張っても記録が伸びず、競技に向いていないのではないかと落ち込んで、仕事に行くことさえつらく感じたこともありました。でもミライト・ワンチームの指導員との対話から気持ちの整理を図り、また会社の人たちからも応援してもらったおかげで、大会当日は結果を意識しすぎることなく楽しもうと思えて、結果的に金賞を取ることができました」
角田「そういうときに周りの方に話を聞いてもらって自分の気持ちを整理するのは私も同じです。スポーツだと、よくケガなどでスランプになることがあるのですが、技能競技でスランプに陥るのは、どんな時ですか?」
吉田「スピード勝負でもありますが、施工の精度も求められるので、効率よく無駄な時間を減らすことが大事になってきます。でも、いくら自分の動画を見返しても、これ以上どう短縮できるのか分からなくて行き詰ってしまうことはあります。そういうときは他の選手の動画や、先輩後輩の作業を見て自分が取り入れられることがないか、参考にできそうなことを探ります」
角田「柔道も一緒です。他の選手からも技を教えてもらうのですが、やはり体が違いますから完全に同じようにはできず、意識や体の使い方を参考にしつつ自分流に落とし込んでいくのですが、その辺も…」
吉田「一緒ですね(笑)」