金メダリスト対談 女子柔道・角田夏実×技能五輪・吉⽥陽菜「負けず嫌いなところは同じですね」

角田「煮詰まってしまったときのリラックス方法は何かありますか?」
吉田「職場で練習をしているときだと、建物の階段をただ登って降りてくるとか。帰宅してからも悩みが頭の中に残ったままだと、寝ようとしてもつい振り返ってしまうので、音楽を聴いたりYouTubeを見て気分転換してから寝ています」
角田「私は、人と話すということを大事にしています。周りの人の意見を聞くことで、自分が考えていたことを客観視できたり整理ができます。あと、吉田さんの階段上り下りも、よく分かります。私も他のスポーツで体を動かす事でリセットできたりするので」
吉田「角田選手は、どん底に落ちてしまったとき、どうやって回復していますか? 何をやっても結果が出なくて、どう練習したらいいかも分からないようなときなど」
角田「私も負け続けた時期がありますが、そういうときは周りの声もプレッシャーに感じるし、自分でもどうしたらいいか分からなくなりますよね。私の場合は一回全部取り払って、好きな柔道を楽しむんだという気持ちで試合に臨むと、けっこう動きが良くなるんです。すると結果は出なくても、次に繋がる何かを得られることがあります。あとは、少し自分の柔道から離れる。例えば後輩の試合を見に行き頑張っている姿を見ると、自分も柔道がしたくなるんです。やっぱり私は柔道が好きでここまで続けているので、その根源的な気持ちを思い返せるような状況を作ります」
吉田「なるほど、ありがとうございます。やはり注目されることのプレッシャーは大きいですか?」
角田「柔道は日本が勝つことへの期待も大きいので、そういうプレッシャーはありますね。でも自分の柔道への思いや、応援してくれる人たちの声を良い緊張感につなげることができれば、逆に力になると思っています」
吉田「私も同じです。会社を代表して出場することのプレッシャーはありますが、技術を磨き、技能五輪全国大会という大舞台に挑戦させてくれる会社の環境と仲間たちには本当に感謝しています」