ディズニーの最新作、実写版『白雪姫』を、観て思ったこと【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】

 こんにちは、黒田勇樹です。

 最近は5月の公演「ハイパー刑事のアルティメット捜査線」に向けて、ひたすら地味な作業の毎日です。気分転換でテレビをつけると思わず「おお」と声が出るようなニュースがちょいちょい目に入ってくるんですよ。

 まあ、みなまでは言いません。

 ということで今週も始めましょう。

黒田勇樹

 基本的には、面白かったです。正直、前評判や政治的な場外乱闘の多さに「観るのコエぇなぁ」と、思っていたのですが「1本の映画としての完成度」は、とても高かったと思います。

 ただ、こっからが、問題というか「不朽の名作をリメイクする難しさ」とでもいうんでしょうか。
いっそ「ロミオとジュリエット」を「ウェスト・サイド・ストーリー」として、蘇らせるようなコンバートをしたほうがよかったのかな、と少し思ってしまいます。

 なにより白雪姫は“民話”として語り継がれてきたものをグリムがまとめたものと、ディズニーのアニメ版、更には日本では「最近のコンプラに合わせた版」とか、「どれがホンモノか」“解釈違い”が、分かれる作品。「桃太郎」とかも、そうですよね、時代や語り手によって話の性質が変わってくる。

「どうみてもジブリだろ!」と、いう魔女の宅急便のリメイクが、舞台であろうと絵本であろうと「原作のリメイクです」と、ジブリの許可取ってない的な改変。…わかりづらいか。

「どう解釈してもいい物語」であるはずの白雪姫が現代的にリメイクされて、それを”各派閥のガチ勢”が、それぞれ「違う!」と、言っている印象。

 政治的な要素が強くて、ラストなんか「あれ? 俺、レミゼ観てたんだっけ?」と、思う瞬間もあったんですが、武力を使わずに争いを解決する流れは「うん、今こそこういうことを言うべきだ」と、思ったし、とてもよく出来ていたと思うけど「ディズニーの白雪姫」という看板が、皮肉にもそれを邪魔しちゃったんじゃないかな。

 あとはもう、小人がCGだったこと。

 背の小さい俳優は沢山います! それが障がいだったとしても「スクリーンに映してはいけないもの」では、なくて。「真っ白な肌だから」を「雪の日に生まれたから」と、ネーミングの由来まで変えて、ポリコレを全面に押し出すような内容に作ったくせに「それは、ねーだろ!」と、筆者は思いました。ちっちゃい俳優もおっきい俳優もふとっちょもハゲも、性同一障害の人も黒人も白人も、僕の映画には出て、良い役も悪い役も、ズルい役も面白い役もやって下さい。

 とりあえず、最初に書きましたが、基本的には、面白かったです。

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