BL…なんて簡単に言えない、おっさんと美青年の恋愛を描いた映画『クィア/QUEER』が、とっても耽美で難解だった【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】

 こんにちは、黒田勇樹です。

 次の舞台となる三栄町LIVE×黒田勇樹プロデュースvol.19「ハイパー刑事のアルティメット捜査線」まで1カ月を切りました。5月9日初日であります。よろしくお願いします。今週もひたすら地味な作業を続けております。

 なので、ついついnoteにいろいろ書いてます。こちらのコラムと合わせてnoteのほうもぜひ。

 では今週も始めましょう。

『クィア/QUEER』 配給:ギャガ 5月9日(金) 新宿ピカデリー 他 全国ロードショー R15+ ©2024 The Apartment S.r.l., FremantleMedia North America, Inc., Frenesy Film Company S.r.l.

『ベニスに死す』から『おっさんずラブ』」まで、舞台だと『蜘蛛女のキス』とか、「おっさん✕美青年(美少年)」という、一定数が推し続けているジャンル。

 この作品も、イケオジと美青年が、出会って…記事のタイトルにはわかりやすいように恋愛と括りましたが、もっと複雑なコミュニケーションを重ねていく物語。

 まず、このタイトルになっている「クィア」は、性の多様性を表す呼称で、LGBTQの“Q”に当たる言葉。色々調べてみたのですが「そもそも性的指向ってレズとかゲイとかノーマルとかじゃなくて“人それぞれ”で、よくね?」みたいな意味のようです。

 筆者も「女性が大好きだけど、成宮くんと森山未來くんには抱かれてもいい」と、思ってるし、自称レズのセフレもいるので、立派なクィアなんじゃないかと思います(間違ってたらごめんなさい)。

 実際作品を見てみると、ジェンダーやマイノリティの話題にとどまらず、ドラックやらメンタルヘルスやら、様々な問題が内包された描かれ方をしていて「ウッディ・アレンみたいな一人称系の映画なのかな」と、思えばしっかりラブロマンスだったり、エロチックだったり、時にはアドベンチャーがあって、オカルトやスピリチュアルな世界まで踏み込んで、脳みそをぐちゃぐちゃにされます。

 本当に、表現方法もどんどんジャンルが変わっていくかのように目まぐるしい撮り方。
 基本的に、娯楽である映画は、ラ・ラ・ランドのOPがわかりやすいかな?
「今からミュージカルやりますよー!」みたいに、観客に「何を見てほしいか」を提示して始めるのが、定石なんですが、この映画は、一切そういうアテンドがなくて、観終わったところで

 何を観せられたのか、わかりません!!
 関係者、全員の尿検査を求めます!

 まあ、これは冗談(と言っておきたい)ですが、時々現れるデカプリオのザ・ビーチとか、サイケデリックな作品を見ていると、共通点が散見されて「本当に、クスリをやってる人たちは、こういう景色を見ているのかもしれない」と、少し不安になります。

 ギリギリ常識人なので確かめようがないけど。
 まあ、なんか、どういえばいいんだろう…

 観たほうがいいです。世界の広さを知ることや自分の内面と向かい合うこと。つまり、宇宙の全部を感じることが出来る、不思議な映画でした。

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