THE RAMPAGE 浦川翔平が長崎で社会見学「もっとビールがおいしくなる!」〈BUZZらないとイヤー! 第97回〉

窯を覗き込む翔平さん

 この日はすでに作業を終えて明日に備えている状態で窯は空っぽでしたが、少し動かしてもらうと翔平さんは前のめり。「……ここで熱を加えるんですよね……口当たりのいいフルーティーなやつは何度ぐらいですか?」と、踏み込んだ質問。

 そんな翔平さんに風間さんもぐっと前のめりに。「ベースにもよるしモルトとの兼ね合いにもよりますが、低めでいって風味が残るような感じで。あと小麦を入れてあげると口当たりが滑らかになる」。

 この窯でおかゆのような状態になった麦芽は、ろ過されて麦汁のみが煮沸窯に移動します。ここでホップを入れて苦味を出すとともに、麦汁自体の殺菌も行われます。

翔平さんは「これで何リットル作れるんですか?」。風間さんは「そうだなあ、お店で出すサイズで1500杯、もう少しかな」

「ここではまだ甘い液体。麦汁にはたんぱく質が入っていて発酵段階ではそれが邪魔になります。煮沸することで、たんぱく質が卵スープのような感じで液体から離れてくれるのでカスを落とすんです。それが済んだら酵母を入れて発酵させる工程に入っていきます。ただ、酵母は高い温度になると死んでしまうんですよね。だから温度を下げる必要があってここに熱交換器があります。細いプレートが100枚ぐらいあるんですけど、この間を熱い麦汁と水が鉄板を通して隣り合って流れていって、麦汁の温度が下がっていきます」

「そんな秒でいけるんですね……」。おそらく翔平さんの脳内では妄想がビールの泡のようにむくむく。どんどん真剣な表情になっていきます。

 適温に冷えたところで、上から酵母を振りかけると人の手が関わる作業はほぼ終了です。

「1週間ぐらいでメインの発酵が終わって、そこから2週間か3週間ぐらいかけて熟成させていきます。二酸化炭素が出て、それを閉じ込めておく必要があるんですが、圧力がかかると酵母が人間と同じでプレッシャー を感じて調子がでない。逃がしたほうがうまく発酵してくれるので、最近は酵母の活動が終わってから二酸化炭素を入れるやり方もあります]

「後から足すんですね。おいしいビールを作るためにいろいろ進歩や工夫があるんですね」と翔平さん。一連の説明を受けて、聞きたいことが次々に飛び出します。

数えているの? 何かの約束……?

翔平さん:ビールのアルコール度数っていろいろありますよね。その違いはどうやって出すのですか?

風間さん:麦芽をいっぱい使うんです。通常は1対3、だいたい100キロの麦芽に対して300リットルぐらいの水を使っておかゆ状にするんですけど、それを2対3とかにするんです。

翔平さん:どんどん上げていくとテキーラぐらい強くしたりできるんですか?

風間さん:ビールを作る酵母って自分が作り出すアルコールで弱っちゃうんですよね。ビール酵母だとだいたい10度ぐらい、日本酒酵母だと20度ぐらいまでしか自分の糖で発酵できません。テキーラは蒸留酒でアルコールを濃縮した形になるからね(笑)。

翔平さん:発酵を終えてアルコール度数が行き過ぎたみたいなことはあるんですか?

風間さん:基本的にはそれがないようにしています。酵母は食べられる糖に限界があって、最初の糖の状態、だいたい糖度で11とか12ぐらいだと、狙った通りのところになってくれます。ただ酵母の種類も関係してくることなので、それも考えて設計しています。

「聞きたいことはもっとあるし、もっとビールについて話したい…!今日1日じゃ終わらない……ここにマジ住まなきゃ!」と翔平さん。とりあえず、6月にTHE RAMPAGEのツアーの長崎公演でまた来れるじゃないですか?

 さて………