吉沢亮、横浜流星の女形役に共演女優が脱帽 高畑充希「2人が血反吐を吐くように…」

 

 映画『国宝』(6月6日公開)の完成報告会見が23日、都内にて行われ、俳優の吉沢亮、横浜流星ら豪華キャスト陣と李相日監督が登壇。歌舞伎俳優を演じた吉沢と横浜の女形に共演の女優陣が脱帽した。

 作家・吉田修一が、本作の歌舞伎指導も務めた中村鴈治郎の元で3年の間、歌舞伎の黒衣を纏い、楽屋に入った経験をもとに書き上げた同名小説を映画化。

 偶然にも同じ仕事現場にいたときに、本作のカンヌ国際映画祭監督週間への正式出品の知らせを聞いて大喜びしたという吉沢と横浜。

 吉沢は「普段から映画に携わらせていただいている人間としては、カンヌという場にお邪魔できるのもうれしいです。日本が誇る文化が世界に放たれてどう評価いただけるのか楽しみです」。横浜も「映画人としてカンヌはあこがれの場ですし、魂を込めた作品なのでうれしいです」と感激。

 吉沢が演じるのは、任侠の一門に生まれながらも、歌舞伎の名門・丹波屋に引き取られ、稀代の女形として成長していく主人公・喜久雄。吉沢は「1年半にわたり役作りで歌舞伎と向き合ってきた。この作品はかけた時間とエネルギー量が桁違い」と振り返り「それだけのものを背負って現場に臨みました。今までの役者人生の集大成と言いますか、今まで培ったすべてをぶつけた作品です」。

 丹波屋の御曹司として生まれ、喜久雄の親友でありライバルの俊介を演じた横浜は「自分と正反対で、正直、苦手な人間でした」と苦笑しつつ「李監督との『流浪の月』のときもそうだったんですが、自分の中にもあるけど律して眠らせているものを李監督は解放して挑戦させてくれる。役者冥利に尽きました」。

 完成した作品に、吉沢は「すごいものを見た。総合芸術の素晴らしさがこの作品にはある」、横浜は「芸に生きた彼らを美しく感じ励まされました。自分も彼らのように生きるには、ただただ芸に身を尽くすのみと思いました」。

 全身全霊で歌舞伎俳優を体現した2人に共演陣も絶賛。2人を見守り続ける女性を演じた高畑充希は「2人が血反吐を吐く、じゃないですけど、頑張って芸を習得していく姿を見て、自然と舞台裏で何か力になれないかと思っていた感覚がよみがえりました」。

「吉沢さんは青い炎みたいで近寄れなかった」と吉沢の気迫を振り返った森七菜は「吉沢さんが移動中に物をポロっと落とされたことがあって、すごくきれいに、女性らしく拾われた瞬間があったんです」と感嘆。

「撮影の2カ月前から日本舞踊を、1カ月前から三味線の稽古を始めた」という見上愛は「日本舞踊の稽古で横浜さんを一瞬、目にすることがあったんですが、これはもう私は間に合わないかもと思いました」。女優陣からの絶賛に吉沢と横浜も照れ笑いしていた。

 この日の登壇者は吉沢亮、横浜流星、高畑充希、寺島しのぶ、森七菜、見上愛、田中泯、渡辺謙、李相日監督。

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