日本の国際NGO「ピースウィンズ・ジャパン」がミャンマー地震の支援活動を報告。日本での報道の少なさに「関心を持って」と「災害の記憶の風化」へ警鐘

「その中でも日本に対する好感はすごく感じた。共通のアニメの話題で話ができたり、日本語で“ありがとうございます”と言ってくれたりもした。今、大変な状況だが日本がもっとミャンマーにできることはいっぱいあると思う。そういうことを見つけてやっていかないといけないなと現地で思った」とミャンマー人との交流を明かしたうえで、日本の一般市民ができることとして「帰って来て、あまりミャンマーの地震が報道されていないんだなと感じた。多くの方がミャンマーで地震があってたくさんの人が困っていることを忘れてしまっているんだなというふうに少し悲しく思った。やはり世の中の関心が薄れるというのがどの災害でも被災地にとっての大きなダメージだと思っている。ミャンマーで今、紛争下でさらに大きな地震が起こり、多くの命が失われ、多くの方が家をなくして家族を亡くして大変な状況にある。それに対して日本で何ができるのかを問い続ける考え続けることが今一番できることかと思う」と要望。「それほど大きいNGOではないと自分たちは思っているが、私たちのような民間の力でも役に立てることはあると現地に行って思った。そういうことが少しでも日本の皆さんに伝わって、日本の皆さんがミャンマーだけではなく、世界の災害とか世界の紛争とかに気持ちを持っていただき、関心を持ち続けていただくようになればいいなと思っている」とも語った。
山本氏も「今回の支援は情勢と状況が複雑な中で、NGOだから比較的に早く入れたし、比較的自由に動けた部分が大いにあったと思う。これから先、長く続くであろうミャンマーの災害に対して、皆さん、ぜひ関心を持っていただき、ご協力をいただければ。他の地域でもたくさん紛争や災害が起こっているが、そういうことに対して内向きになることなく、報道やSNSでたくさん情報があると思うので、関心を持ち続けていただくことが何よりも現地の方々のためになるのではないかと思っている」と日本国内でもたびたび問題となる「災害の記憶の風化」への警鐘を鳴らした。
なお同NGOの今後の取り組みについては山本氏は「ミャンマーでは地震の前から支援活動を展開している。今回の地震を受けて医療も含めた緊急支援活動も従前の活動に加えて実施している。もう少ししたら物資の支援より、壊れてしまった学校であるとか家屋といったものをどうやって再建していくのかということが支援の中心になっていくのではと考えている。それらすべてを私たちができるということではないが、できるだけ現地の皆さんに寄り添った、必要とされる支援を提供できるように、できれば長く活動は継続していきたい」などと語っている。