GW台湾特集!【映画編】最速金馬ファンタスティック映画祭&最新ヒット作レビュー

映画『Organ Child(原題:器子)』の舞台挨拶に登壇するムーン・リー(左、筆者撮影)

 同じタイミングで、台湾の大作や注目の新作が劇場公開されていたので、チェックしてきた。国民的な人気を誇るスター、ジョセフ・チャン(『青春18×2 君へと続く道』)と人気若手女優ムーン・リー(『夏のレモングラス』)主演の『Organ Child(原題:器子)』は、臓器移植絡みの幼児誘拐事件を軸にした骨太なクライムスリラーで、公開最初の週末で台湾の興行ランキングで初登場3位を記録。僕はムーン・リーが所属するエージェント主催の特別試写に招待してもらい、ここでムーンや彼女のマネージャーに再会することができたのだが、このようなエージェント主催の試写は台湾では珍しくないのだという。上映前にはムーンの舞台挨拶も行われた(共演者の大人気ミュージシャンで俳優SHOUは不参加だった)。

 招待客は他のエージェントや俳優が中心で、いろんな俳優たちと会うことができたのだが、その中でひときわオーラを放っていた女優がチャン・チ(江齊)。映画出演2作目で主演を務めた、シュー・フーシャン監督作『Lovesick(原題:有病才會喜歡你)』が、台湾映画として今年最高のオープニング成績を記録する大ヒット作となっていた。台湾の人気俳優ジャン・ファイユン(『台湾アフタースクール』)共演の同作は、病気を主題にしつつ、ひとひねりある爽やかな学園青春コメ ディーでありラヴストーリーとしてうまく機能していた。芯が強いたくましくも儚げなキャラクターを好演したチャン・チは、今後間違いなくブレイクするだろう。

 上記2作品の日本公開を願いつつ、現地のプロデューサーたちによると、現在日本と台湾の合作映画の製作が多く進められていると聞いたので、今後はこれまで以上に多くの台湾人俳優や監督たちの作品を日本で見られる機会がありそうだ。楽しみにしたい。

(取材・文:小林真里)